ファイターズ
2021/10/27 13:26

谷口 引退試合で涙の左前打

七回、代打で出場し、安打を放った谷口

■日本ハム1ー0西武(26日、札幌ドーム)

 目に涙を浮かべながら、とびきりのきゅんスマイルが弾けた。今季限りで現役を引退する谷口が、0―0の七回2死から代打で登場。駆けつけた家族も見守る中、2番手・森脇の投じた初球147キロを捉え、左前に運んだ。「今までで一番いい内容。満足しています。悔いはない」とすがすがしくバットを置いた。
 七回を終えてベンチに戻ると、同期入団の西川や、同じく今季限りで退任する栗山監督と熱く抱擁。「よくやったぞ」とねぎらわれた。「監督の最後に谷口という名前を呼んでいただいて、使っていただいて、結果が出た。僕の財産です」と力を込めた。
 今年2月に右肩に違和感を覚え、17年に手術した右膝の状態も思わしくなく、体は満身創痍。それでも、同期でただ一人の同学年だった西川の存在が、谷口を奮い立たせた。「僕の野球人生で一番の目標。(膝の)けがから復帰してホームランを打った時は、『何日ぶりだよ』ってボソっと言ってくれたり、すごく気にかけてくれた」。この日の安打を誰より喜んでいたのも西川だった。
 戦いを終え、心に残ったのはファンへの感謝だ。「最後のヒット1本は、僕だけで打てたものじゃなくて、応援してくれた周りの人たちのもの」。最後まで谷口らしく、11年間の現役生活を締めくくった。

関連記事一覧を見る

あわせて読みたい