高校野球
2023/08/15 17:00

仙台育英2年の道産子右腕・佐々木広太郎 今回はアルプスから応援も秋からは「チームを引っ張る活躍したい」【夏の甲子園】

仙台育英の道産子右腕・佐々木投手(撮影・西川薫)

中学時代に2度の全国舞台 今春も選抜で甲子園経験

 夏の甲子園ベスト16に入り2連覇を狙う仙台育英に将来有望な道産子右腕がいる。別海町出身で、中学時代に2度の全国舞台を経験している佐々木広太郎投手(2年)だ。夏のメンバー入りこそ逃したが、今春の選抜大会では甲子園デビューしている。今回はアルプススタンドの応援に徹しながら、再び甲子園のマウンドへ帰ってくることを誓った。

昨年はいきなり東北初の全国制覇

 杜の都で大きく成長を遂げた。別海中央中では、軟式の全国中学と全日本少年春季大会に出場。兄の大成さんは別海高で19年の秋季全道に出場していた。佐々木は道内の強豪私立から「最初から1年生で使う」と高評価をもらっていたが「育英ならもっと面白いんじゃないかな」と、春夏通算甲子園出場41回(当時)を誇る東北の強豪の門を叩いた。入学した年の昨年夏、チームがいきなり春夏通じて東北勢初の全国制覇を成し遂げた。「すごかったっす。やっぱり来て良かった」とモチベーションは高まった。

 今春の選抜甲子園では当初登録外だったが、大会前に行われた鹿児島、関西遠征で結果を残した。すると、「5番手に一番必要な安定感」と評価され、2次登録で背番号17をつかみ取ってベンチ入りした。

ホロ苦い甲子園での反省

 3回戦の龍谷大平安戦で出番は巡ってきた。6-0とリードした九回に3番手でマウンドに上がったが、先頭の3番打者への初球をいきなり左翼フェンスの向こうに持っていかれた。後続は無失点に抑えたが「ちょっと違う世界な感じがした。緊張とかはしなくて体はよく動くんですけど、なんか思ったようにはいかなかった」とホロ苦デビューに反省が口を突いた。

「チーム全員に認められてもらうように」

 184センチ、95キロと立派な体格。最速144キロの直球に加え、カットボール、スライダー、フォーク、カーブを操る。春季大会では登板機会もあったが、選抜に続いての甲子園ベンチ入りは逃した。「同じ2年生投手の武藤(陽世)が入ったので、悔しいです。制球力とテンポは武藤よりはあると思っているけど、決め球のスライダーがダメで外れた。3年生の湯田(統真)さんに憧れているので、10番でもチームを引っ張る活躍をしたい。チーム全員に認められてもらうように、練習の質にこだわっていきたい。ピッチングでは短い時間で守備が終わるような、そういう投球をしたい」。聖地で躍動するチームメートの活躍に大きな刺激を受け、道産子右腕が再び聖地のマウンドに立つことを目指して己を磨いていく。

関連記事一覧を見る

あわせて読みたい