栗山監督には毎年、ワクワクするような挑戦を見させていただきました。わたしが言うのもおこがましいのですが、魅力的な監督でした。
　いつも「選手の可能性を最大限に発揮させてあげたい」と話し、結果が出ても「まだまだ足りない」と頭を悩ませていました。一人一人に可能性があると信じ、どうにかしようと本気でぶつかっていました。外から見ていても、選手への愛情が伝わる監督でした。
　一番印象に残っている出来事はやはり、大谷選手の二刀流です。きついのではないかと思う半面、純粋に成功してほしいと願う気持ちになりました。相当なプレッシャーや意見があったはずですが、信頼関係の中で腹をくくった２人がやり遂げたことは本当に素晴らしいです。メジャーでも通用することを証明しました。良くも悪くも、人生を左右してしまうのが監督という職業。栗山監督は常に選手の人生を背負い、親身になっていました。
　本拠地最後の試合は劇的な勝利で締めくくりました。これは、栗山監督の言う野球の神様が、届けてくれたものだと感じました。
（本紙評論家）