高校野球
2023/08/16 21:00

北海・幌村魅影遊撃手「次も打ちます」 右手中指負傷しながら浜松開誠館戦で代打安打【夏の甲子園】

17日の3回戦へ向け打撃練習に励んだ北海の幌村(撮影・小田岳史)

11日の練習中に右手中指を負傷

 7年ぶりの8強入りを目指す北海は16日、翌日の神村学園(鹿児島)との3回戦へ向け大阪府内の球場で約2時間練習した。11日の練習中に右手中指を負傷した幌村魅影遊撃手(2年)だったが14日の浜松開誠館戦(静岡)の七回に代打出場し安打をマーク。勝負どころの切り札としてベンチで出番を待つ。

まだ右手はテーピングでグルグル巻き

 この日の練習では軽くキャチボールは行ったがノックは捕るだけ。テーピングでグルグル巻きになった右手の負傷箇所は「腫れはだいぶ引いたけど、血マメとかがあって傷口が痛くて」と、スローイングは厳しい状態。ベンチスタートが濃厚だが「スイングは問題ない。力強く振れています。他の選手よりもベンチにいてピッチャーの球を見る機会が多いので、しっかり1球で捉えれるように準備していきたい。次も打ちます」。仕事人として、ここ一発での起用に応えてみせる。

「走って塁に着いた時に痛みが出た」

 10日の明豊戦(大分)では「5番・遊撃」で2安打1打点。負傷後に迎えた浜松開誠館戦では七回先頭で代打出場すると、カウント3-1からの直球を左前へ運び出塁、同点機を演出した。「スイングした時は忘れてたけど、走って塁に着いた時に痛みが出ました」。痛みと闘いながら執念でバットを握っている。

兄が果たせなかった夢の分も

 兄への誓いを果たす。幌村の兄・黛汰さん(19)は帝京長岡(新潟)の中堅手として、昨年夏の新潟大会決勝まで進むも延長の末に惜敗、甲子園の夢を実現することは出来なかった。現在は富山のクラブチームで野球を続けており、14日の2回戦は甲子園で応援してくれた。同じ目標に向かって選んだ道は分かれたが「兄の分も甲子園で活躍したい」と幌村。まだまだ負けるわけにはいかない。

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