聖地豪快初アーチの北海主砲・熊谷陽輝「進学して、投打両方で挑戦したい」4年後のプロ入り目指す【夏の甲子園】
■全国高校野球選手権第11日(8月17日、阪神甲子園球場)
▽3回戦 神村学園(鹿児島)10-4北海
1万2000人観衆の度肝抜く左中間スタンド最深部への2ランアーチ
北海の熊谷陽輝一塁手(3年)が五回、甲子園の1万2000人の観客の度肝を抜いた。1死一塁、カウント1-0からの直球を、左中間スタンドの最深部近くまで運ぶ、大会第18号2ランアーチ。今春、U18日本代表候補合宿にも選出された右腕が、バットで一矢報いた。
「芯を食ったので行ったかな」
ファーストストライクを見逃さなかった。熊谷の打球は打った瞬間それと分かる豪快な一発。自身の公式戦通算11本目の本塁打となった。「打った感触が全然違いました。芯を食ったので行ったかなと思いました。打ったのは真ん中に入って来た真っすぐ」。右手を高く掲げて、観衆の視線を独り占めした。
逆転を信じて2番手でマウンドへ
救援のマウンドでも堂々とした投球を最後まで貫いた。2-7の五回、先発した岡田彗斗投手(3年)の後を受けて、2番手でマウンドへ。「あとは任せたと言われた。自分がやるしかないと思った」。これまでの2試合同様、逆転を信じてマウンドに向かった。
「悔いはない。実力不足」
五回は3者凡退に打ち取るも、六回と九回に計3失点。「悔しいですけど、最後まで岡田で行って岡田で打たれて、自分で行って自分で打たれて負けたので、悔いはないです。実力不足です」。2年前の夏は、エース・木村大成(19、現ソフトバンク)の影に隠れ、ブルペン止まりだった甲子園で、投打の大黒柱として成長した姿を示した。
甲子園3試合で投打で活躍 「甲子園で終われたのは良かった」
甲子園通算成績は3試合で11打数6安打で打率.545、1本塁打で4打点をマークした。投げては同13回⅓を投げ、6失点(自責4)。卒業後は大学に進む予定だ。「進学して、投打両方で挑戦したい。北海では1年から甲子園という良い思いをさせてもらった。自分がチームの中心として引っ張っていくという自覚を持ってやってきた。甲子園で終われたのは良かった。でも上には上がいる。次のステップがあるので、上の選手を目指して頑張っていきたい」。183センチ、94キロの主砲は、北海での3年間をステップに将来の大砲へと成長を遂げていく。