《鶴岡慎也のツルのひと声》万波は新球場の特徴を自分のものにできている
■パ・リーグ19回戦 ロッテ0ー5日本ハム(8月17日、エスコンフィールド北海道)
アクシデントで降板の根本 古川とのバッテリーで見せた意図のある配球
先発の根本は実にもったいなかった。立ち上がりから調子は良く、右打者が7人並んだ打線を2巡目の途中まで、しっかり抑えていた。右バッターに対し、インコース直球と、スライダー、カットボールといった入ってくるボール。それらを主体的に投げられていた。
先発投手は中継ぎとは違い、1打席、1球が勝負というわけではない。3巡目までを考えながら、プランニングしていく必要がある。女房役を務めた古川と試合前に入念にミーティングをしたはずだ。登板の後半にはチェンジアップやフォークなども使えただろう。若いバッテリーの配球には意図があった。
反省の言葉にさらなる成長を見た
試合後のコメントが、また良かった。根本は打球を受けたことが緊急降板の引き金となったのだが、守備に対する反省の言葉が聞かれた。確かに投手は投げるだけじゃない。今後、守備練習にも真剣に取り組んでいくだろう。それが自身の勝ち星を伸ばすことにつながっていく。力のあるピッチャー。いろんな経験を糧にローテーション投手へと成長していってもらいたい。
連続0封に貢献も打席での工夫を欠いた古川 やってはいけない〝ミス〟も
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一方で、だ。古川は2試合連続の0封を導いた。素晴らしいゲームメークで最高の結果を引き出した。当然、自信になる。ただ、1打席目から3打席連続でフォークボールを空振り三振。同じやられ方はいただけない。工夫がほしかった。結果に関しては仕方ない部分もある。だが、内容のある打席がほしい。それが自身の配球にも生かされてくる。
そして七回の第4打席。エンドランのサインで空振り。これは一番、やってはいけない〝ミス〟だ。「勝ったからいい」では済まない。優勝を争うチーム、勝っていくチームで捕手を任されるためには攻守において隙のないプレーが求められる。
マーベルは素晴らしいの一言 今や欠かせないピース
急きょ、根本の後を受けて登板したマーベルは素晴らしいの一言。テンポ良く、どんどんツーシームを投げ込んでいった。このツーシーム。145キロ~46キロと絶妙な球速帯で、打者が振り始めると曲がる。実に効果的だった。
縦のスライダーとチェンジアップの精度も高く、四球もない。スターターもいけるだろうが、この日のようなアクシデントでスパッと送り出せる存在は心強い。今や欠かせないピースと言える。
攻守で勝利に貢献の万波 エスコンフィールドを熟知
万波は本塁打もさることながら、守備も見事だった。エスコンフィールドの形状、打球の飛び方、効果的な追い方を熟知している。新球場の特徴を自分のものにできている。肩の強さは誰もが認めるところ。今後さらに他球団のコーチャーは腕を回しにくくなっただろう。