新庄監督 109試合目で今季初ドロー 延長十二回の走塁に「俺でも回すかな」
■パ・リーグ17回戦 日本ハム1ー1オリックス(8月18日、京セラドーム大阪)
首位独走のオリックスと激闘 両チーム譲らず
王者を土俵際まで追い詰めた。日本ハムは18日、京セラドームでパ・リーグ首位のオリックスと対戦し、1ー1で引き分けた。シーズン109試合目で今季初のドローゲーム。延長十二回を戦い抜いた新庄剛志監督(51)は「きょうはちょっとね…。だいたい移動ゲームってこんなゲームになりますよね」と徒労感をにじませた。
最後の最後に巡ってきたチャンス 一気の勝負手も…
ギャンブルに敗れても、後悔はない。勝負に出られる材料は十分に揃っていたからだ。延長十二回1死。野村が左中間への二塁打でチャンスメークすると、指揮官は2枚同時に切り札を繰り出した。代走・江越、代打・郡司。白熱の試合にケリをつけるための勝負手だった。
間一髪のクロスプレー リクエストも実らず
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
郡司の放ったライナー性の打球は、二塁手のすぐ横を抜けてライト前へ。打球の行方を確認してからスタートを切った江越は果敢に三塁を回ったが、間一髪のタイミングで本塁憤死した。リクエストを要求するも判定は覆らず。次打者・奈良間も中飛に倒れ、最後までホームベースにたどり着けなかった。
右翼手・茶野が捕球した位置は右中間の真ん中付近で、体勢は中堅方向へ流れていた。二塁ベース上を狙った中継への返球も、やや緩め。遅れ気味のスタートとはいえ、江越の俊足を考えれば、分の悪い勝負ではなかった。
コーチャーの判断に納得 新庄監督「なかなかヒットって出るもんじゃない」
新庄監督は三塁コーチャを務めた森本コーチの判断について「こればっかしは、正解がないからね。間違ってないけど、アウトになったら『間違ってる』ってなる。僕でも回すかな。なかなかヒットって出るもんじゃない。結果論なので。良かったんじゃないですか。回しておいて」と責めることはなかった。
踏ん張った投手陣 チームの勢いは加速
今季初の6連勝には届かなかったが、強いオリックスと互角に渡り合った。先発・上沢は9回1失点の好投を披露し、抑えの田中正もイニングまたぎの熱投で強力打線をねじ伏せた。投打の歯車がかみ合いつつあるチームには今、これまでにない勢いがある。「最近ものすごく考える。あしたはちょっとね…、7通りぐらいの(オーダーを)箱に入れて、引いて決めます」と新庄監督。最善の選手起用を探り、上位の背中を必死に追う。