伊藤大海 完投負けも120球の力投 新庄監督からの指令「テンポ良く」を継続
■パ・リーグ18回戦 日本ハム1ー2オリックス(8月19日、京セラドーム大阪)
敗戦も好投 2戦連続のハイクオリティースタート
日本ハムの伊藤大海投手(25)が19日、オリックス戦(京セラドーム)に先発し、8回4安打2失点と熱投。2本のソロアーチを浴び、完投負けで7敗目を喫したが、「きのう、上沢さんがあれだけ投げたのを見ていましたし、負けじと先輩に続こうと思いました」。くしくも、球数はエース右腕と同じ120球だった。
効いた指揮官の〝ゲキ〟 「自分のリズムで投げられている」
前回登板した12日のソフトバンク戦では、7回無失点で6勝目をマーク。試合終了直後に、新庄監督から「きょうくらいテンポ良く投げてくれたら」と肩をモミモミされた。この日もその助言を守り、2試合連続のハイクオリティースタート(HQS、7回以上、自責点2以内)を達成。「2段モーションに戻してから、自分のリズムで投げられている」と手応えを口にする。
白い粉を舞わせながら息詰まる投手戦
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2021年夏の東京五輪で〝追いロジン〟の代名詞がついた伊藤と、ロジンバッグを大量に使うことで知られるオリックスの先発・山崎福との投げ合い。「きょう、球場の中が暑かったすね。手汗をかきました」と、いつも以上に白い粉を舞わせながらのピッチングだった。五回には「空っぽでした」とロジンの交換を要求し、球場をちょっぴり、ざわつかせた。
家族の存在が力 前回のホーム登板日にはディナーをごちそう
プロ3年目の今季は、開幕前にワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場し、中継ぎとして世界一に貢献。シーズン序盤は不調に苦しみ、今も絶好調とは言えない状態が続いている。つらい時も、楽しい時も、変わらず応援してくれる家族の存在は大きい。
本拠地・エスコンフィールド北海道での登板日には、鹿部町から両親や弟・駿航さんらが駆け付けてくれる。「うちの家族は野球の話はしないです。この前、試合の日に(自宅に)泊まりに来ました」。
1人暮らしをする自宅に招待し、夕食は焼き肉店へ。「次の日デーゲームだったので、ご飯を食べに行って。仕送りしているわけではないですし、それくらいしか家族に使えないですから」。日頃の感謝を込めて、ディナーをごちそうしたという。
3年連続の規定投球回は射程圏内 先発ローテを守り抜く
この日は今季最長の8回を投げきり、ここまで117回⅔。入団時から3年連続の規定投球回数到達へ、また一歩近づいた。「イニングだけは自分の力でどうにかなるので、頑張りたいですね」。家族の後押しを力に、先発ローテーション投手の役目を全うする。