《岩本勉のガン流F論》本人が伊藤大海という投手のサンプルを明確に示してくれた
■パ・リーグ18回戦 日本ハム1ー2オリックス(8月19日、京セラドーム大阪)
勝利投手という名のご褒美をつけてあげたかった
勝てなかった。ただ、前回と今回。伊藤は一回り成長した姿を見せてくれた。勝ちたい、チームを勝たせたい。そういう意識も随所に見えた。8回120球を投げきって2失点。勝利投手という名のご褒美をつけてあげたかった。
普段、クオリティースタート(QS)という文言をあまり使わない私だが…いや、数字だけで評価したくないからなのだが、今回ばかりは文字通りのハイクオリティースタートと言ってよいだろう。さすがは伊藤大海、やっぱり伊藤大海という内容だった。
何が良かったのか。球種ではない評価ポイントとは
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では、何が良かったのか。このボール、この球種ということではない。ストライク先行という当たり前を当たり前に実行し、しっかりと相手打線に向き合った。イレギュラーな評価ポイントがあるわけではない。そこに価値がある。伊藤大海ってどんな投手?と問われたならば、8月19日の投球を見てくれ、と。本人が伊藤大海のサンプルを明確に示してくれた。
乗り越えたWBC症候群 首脳陣も納得だろう
もう大丈夫。「WBC症候群」を乗り越えた。勝ち負けに関しても、今年の山崎福が持っているということ。伊藤の評価が下がることはない。そして次のローテも迷いなく、務められる。首脳陣も納得しているだろう。
堅守とは何か オリックス・ゴンザレスのプレーに何を思う
あとは堅守とは何か。六回1死三塁でオリックスの二塁手・ゴンザレスがビッグプレーを披露した。ホーム球場の特徴を熟知し、信じきり、攻めたワンプレー。三走・マルティネスの本塁生還を阻止した。
文字通りの〝堅く〟無難な守りが堅守なのか。それとも、エラーを恐れず、チームを救うために攻めるプレーが堅守なのか。ファイターズの選手は何を思ってくれただろうか。