《岩本勉のガン流F論》輝きまくった上原。先発投手として一人前になった
■パ・リーグ19回戦 日本ハム0-1オリックス(8月20日、京セラドーム大阪)
各チームのエース級を連想させる好投
見事としか言いようがない。上原が9回無失点のピッチング。試合には敗れたが、存在感を存分に見せつけた。立ち上がりから状態が良く、緊迫した展開において、八、九回も続投となったのは当然のこと。各チームのエース級を連想させるような堂々たる投球だった。
球種のちりばめ方、ランナーがいない時の2段モーション。彼の工夫が随所に見て取れた。ベース上のボールはめちゃめちゃ強かった。そして、一度も先頭打者を出塁させなかった。先発ピッチャーにとってシンプルな決め事を確実に力強く遂行した。
かつての自分を乗り越えたピッチング 頼もしさも披露
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頼もしくもあった。八回1死、味方失策で出塁を許した。1点を争う好ゲーム。しかも終盤。それでも後続を断った。これまでの上原だったら、バタバタしてもおかしくはないシーン。そこを力強く乗り切った。
まさにOB解説者として喜びはひとしおだ。素晴らしい逸材。だからこそ、これまで何度も上原には〝苦言〟を呈してきた。それは当然、私なりのゲキ。今回、上原はマウンド上で輝きまくった。先発投手として一人前になった。そう断言したい。
良いリズムを与える投球 期待できる次回の打線援護
次回の登板時、打線は芳しいだろう。上原の独り立ちは必ずチームも感じている。「よし、上原が先発か」。良い野球リズムを与えてくれると信じ、試合に入ることができる。
上原を含め、この3連戦、先発投手の好投が際立った。うち2試合でスタメンマスクをかぶったのが古川。伏見ら他の捕手陣にも良い刺激を与えたはずだ。
がっぷり四つの展開 勝負強い首位・オリックス
結果に関しては仕方ない部分もある。相手投手陣も実に見事だった。きょうの試合も、野球の神様がどっちにほほ笑むだろうか。そのぐらいの差でしかなかった。ただ、こういうゲームに勝つからこそ、オリックスは首位を独走しているとも言える。