28年ロス五輪追加種目候補のラクロス 北海道学生リーグが開幕
日本の競技人口は男女合わせて約1万4000人 道内は男女19チーム
2028年に行われるロサンゼルス五輪の追加種目候補となっているラクロスが注目を集めている。日本の競技人口は男女合わせて約1万4000人で、北海道でも大学、社会人合わせて男女計19チームが活動を行っている。8月19日には札幌市円山競技場で男女の北海道学生リーグ開幕戦が行われた。
男子は8連覇中の北海道大と最も古い歴史を持つ北海学園大が対戦
男子は5大学総当たりでリーグ戦が行われ、リーグ戦の1位と2位のチームが10月21日に札幌厚別公園競技場で決勝戦を行って優勝を争う。開幕戦では道内最多20度の優勝を誇り、現在8連覇中の北海道大と、1995年創部で道内男子チームでは最も古い歴史を持つ昨年準優勝の北海学園大が対戦。試合は終始北海学園大が先手を奪う展開で優位に進めていたものの、試合終了まで残り1分弱というところで北海道大が起死回生の同点ゴールをゲット。道内の男子ラクロス界をリードしてきた両雄の対戦は4-4の痛み分けとなった。
北海道大主将の都築太郎(4年)が「北大は北海道で勝ち続けてきたという伝統があるので、それを背負いながらもプレッシャーを感じすぎないように、全力を出し切りたいと思います」と、歴代最長となる大会9連覇に向けて意気込みを語った。北海学園大主将の佐々木寛太(4年)も「9年間偉大な先輩たちが努力しても達成できなかった目標というのを僕たちは掲げて1年間頑張ってきたので、その集大成として、今度は喜んで終われるように頑張ります」と、9年ぶりの王者奪還に向けて闘志を燃やす。
女子は3連覇中の北海道大と昨年初の準優勝に輝いた酪農学園大
女子は6大学総当たりでリーグ戦を実施。1位と2位のチームが、男子と同じく10月21日に札幌厚別公園競技場で決勝戦を戦う。開幕戦は現在3連覇中で最多11度の優勝経験を持つ北海道大と、昨年創部史上初めて準優勝を果たした酪農学園大が激突し、北海道大が13-3で勝利した。それでも悲願の初優勝を狙う酪農学園大の大貫実生主将(4年)は「新入生も今まで以上にたくさん入って選手層も厚くなっているので、2年連続で創部初の歴史を刻めたらいいなと思います」と力を込めた。幸先の良いスタートを切った北海道大の伊東佳奈子主将(4年)は「4連覇できるように、北海道内で圧倒できるように、全員で全力で戦っていこうと思います」と王者の風格を見せた。
五輪追加種目となれば120年ぶり 日本のメダル奪取にも期待
五輪の追加種目となることが決まれば、1908年ロンドン五輪以来、120年ぶりとなる。「マイナーなスポーツがそうやってみんなの目に触れる機会が増えるというのはすごくうれしいこと」(北海道大・都築主将)と、競技関係者も強い期待を寄せている。昨年7月、米国アラバマ州バーミングハム市で行われた国際スポーツ大会「ワールドゲームズ」では、男子日本代表が史上初めて銅メダルを獲得。5年後の五輪で採用となれば日本のメダル奪取も期待できる新種目だ。
■ラクロスとは 先端に網が付いたアルミニウム製のスティック(クロスとも呼ばれる)を駆使して、ボールを網の中に入れて持ち運んだり、パス交換をしながら、15分×4クオーターの中で180センチ四方の相手ゴールに入った得点の多さを競う10人対10人の団体競技。17世紀ごろ、北米の先住民族が祭事や鍛錬のために行っていた儀式をスポーツ化したものが起源であると言われている。カナダやアメリカ、イギリス、オーストラリアなどで盛んに行われており、日本では1986年に慶応義塾大の男子学生が最初のチームを結成した。男女ともに基本的な競技性は共通しているが、用具やフィールドの広さ、ルールは男女で大きく異なる。男子は全身に防具を装備し、ボディーアタックも可能。シュートスピードは時速約150キロを超えることもあることから『地上最速の格闘球技』という異名も付けられている。女子はユニホームの華やかさが話題になることが多いが、フィールドを所狭しと駆け回るスピードと運動量、巧みなスティックワークが要求されるなど、見た目とは裏腹な激しさを秘めたフィールドスポーツである。全国の各地区で学生リーグ戦、クラブチームリーグ戦が行われ、それぞれ上位チームが全日本大学選手権、全日本クラブ選手権に進出。両選手権の優勝チームが全日本選手権で激突し、ラクロス日本一のチームを決める。