ハンドタオルが手放せなかった。練習が始まろうとしていた午後２時ごろ、北広島市の気温は３１度を指していた。エスコン球場内は、開放していた屋根が締まると、熱気がこもる。選手たちも、頭から水をかぶったかのように汗だくだった。

　２３日の先発を任されるポンセが調整を終え、ベンチ付近に戻ってきた。長い髪を後ろでまとめ、報道陣の質問に答えていく。前回１６日のロッテ戦（エスコン）は６回無失点の好投。「けがが治って体の状態も良くなってきたが、特に精神面がすごく安定してきている。そこが一番の要因かな」と手応えを口にした。

　暑さにへきえきとしている様子はない。効果的な夏バテ予防があるのかと想像し、尋ねると「もっともっと水！」と日本語で答えてくれた。シンプルかつ原始的な手法―。さらに、水分補給の仕方について詳細を聞くと、通訳を介して「練習後とかタイミングは決めず、ずーっと継続的に飲む。量は飲める限り」と明かした。涼しい顔の来日２年目右腕を見て、記者もガブ飲み作戦を実践してみようかと思った。