連動性のある動きに暑さは関係ない《河合CRC竜の眼》
ゴールを決められるところで決め切れなかった京都戦
アウェー京都戦(8月19日、0●3)は、開始早々のMF駒井の決定的なチャンスや前半終了間際のMF浅野のPK失敗など、決められるところで決めないと、こういう展開になってしまうなという試合だった。京都もリーグ戦中断明けに2連敗を喫するなど、決してチーム状態が良いとは言えなかっただけに、非常に痛い敗戦だったと感じている。
札幌U-18出身のDF福田の手痛い恩返し
この試合で京都の2得点目を挙げたのは、札幌U-18出身のDF福田だった。札幌でのトップチーム昇格はかなわなかったものの、他のチームで花を咲かせることができたというのは、現在アカデミーでプレーしている子供たちにも夢を与えることができたのではないだろうか。札幌相手にゴールを決めたというのは手痛い恩返しであったが…。
プロとして運動量的にきついことを言い訳にしてはいけない
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これで札幌はリーグ戦8試合勝ち無しとなった。昨年もそうであったが、夏場になると勝てなくなるという状況になってしまっている。運動量的にきついのだろうなと見ていて感じるが、プロとしてそれを言い訳にしてはいけない。もっと走って戦わないと勝つことは難しい。この状況で勝ち点3を取るためにも、動きの質を上げていかなければならない。京都戦では途中からMF宮澤が出場したが、どこにでも顔を出す宮澤の良さが出ていたし、タイミング良く危険なエリアに進入していた。このようにボールを持っていない選手がボールを引き出す動きをしていかないといけない。1人が動いたところに1人が落ちてくるといった連動性のある動きに暑さは関係無いと思っているので、その部分の質を高めていってほしい。
大分からGK高木が加入 元札幌の岡山一成から太鼓判
京都戦翌日の20日には、大分から移籍してきたGK高木がチームに合流した。まだ会うことはできていないが、人間性がすばらしく、大分ではサポーターからものすごく愛されていたと聞いている。大分でコーチを務めている元札幌の岡山一成から「人間的にもすごく熱くていいやつだから、竜二と合うよ」というLINEをもらったので、実際に会って話をするのが楽しみである。
プレーヤーとしては上背はそれほどないものの、シュートセーブの反応も良いし、レフティーというところも魅力。そして何よりもビルドアップの面で非常に優れたGKだなという印象を持っている。
上原の劇的ヘッドで勝利した千葉戦で対戦
私も2015年に札幌ドームで行われた千葉戦(3〇2)で高木と対戦した経験がある。Jリーグ通算300試合出場を達成した試合であり、終了間際に上原慎也の劇的なヘディングシュートで勝利したこともあって、特に印象に残っている試合だ。このときは敵味方に分かれていたが、これからは札幌の一員として、プレー面でももちろん期待しているし、その人間性の部分もチーム全体に落とし込んでいってもらいたいと思っている。
川崎戦は高い強度のプレスとイメージの共有が大事
8月26日にはアウェーで川崎戦が行われる。川崎も現状あまり調子が良くないだけに、前から高い強度でプレスに行ってはめることができれば、ショートカウンターからチャンスをつくったり主導権を握られると思っている。20年に同じ等々力で川崎に2-0で勝利したが、あの試合ぐらいの強度を持ってプレッシャーに行ってほしい。ボールを握ったところでは、2人目、3人目の連動した動きと、そこに対するワンタッチのパスのイメージをみんなで共有していくことが大事だ。現状ではどうしても単発の関係性しかできていないという印象があるので、京都戦で宮澤が入ったときにできたような、ボールを引き出すための動きを全員でもっと増やしていってほしい。
新たに川崎に加入した元フランス代表のFWゴミスがこの試合から出場してくる可能性もある。フィジカルが強い選手という印象があるが、DF岡村が封じ込めてくれることに期待したい。京都戦では2失点に絡んでしまったが、岡村にとってはマッチアップの相手として得意なタイプだと思うので、きっちりとシャットアウトして名誉挽回といきたいところだ。
(コンサドーレ・リレーションズチーム・キャプテン)