《鶴岡慎也のツルのひと声》しっかり考えながら野球をしている郡司 チームに必要なピース
■パ・リーグ20回戦 楽天4ー10日本ハム(8月23日、エスコンフィールド北海道)
打撃力は本物 思い描く軌道でバットを出した1本目の適時打
またも郡司が大活躍。この打撃力は本物だ。決して、たまたまではない。バッティング技術の高さを存分に示している。前日は2本のホームラン。いずれもファーストスイングで捉え、仕留める力を披露した。一夜明けて、この日はまた違った意味で、目を見張るものがあった。
二回2死満塁での2点打。3―1のバッティングカウントで、真ん中に入った甘いストレートを左前へ持って行った。右ピッチャーに対して、しっかりと自分の思い描く軌道でバットを出し、狙い通りの打球を飛ばせている。
特筆すべき2本目のタイムリー 頭が整理できていた
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特筆すべきは三回にマークした2本目のタイムリー。こちらも2死満塁で、今度は一、二塁間を破った。1ストライク後の2球目。マウンド上の宮森もアウトコースに厳しい球を投じたのだが、郡司に軍配が上がった。
前日の2本塁打と、この日1本目の適時打。いずれも左方向だった。つい引っ張りたくなるはずだが、逆方向にはじき返した。予測がズバリ。打席に入る前から、しっかりと頭が整理できていた証拠だろう。思った通りにタイミングを合わせられる技術も見事だ。
受け答えに表れる頭の回転の早さ 楽しみな今後の野球人生
ヒーローインタビューでの受け答えにも、頭の回転の早さが表れている。しっかり考えながら野球をしている証し。そういう意味でもチームに必要なピース。守備位置など起用法も含め、今後の彼の野球人生が楽しみだ。
新庄采配もズバリ 確実に前進している日本ハム
スタメンに据えた新庄監督の采配も的中した。今、指揮官はチームの成長に手応えを感じているはずだ。確実に層は厚くなっている。強いチームは消去法ではなく、確率の高さで選手を選択できる。そういう選び方が可能になってきている。日本ハムは確実に前へと進んでいる。
再び量産態勢に入る可能性あり 万波のタイトル奪取に期待
20号を放った万波にも触れておきたい。ここ最近、引っ張り気味の打席が目立っていたのだが、ホームランを打ったシーンは、緩いチェンジアップを呼び込んで、センター方向へ押っつけることができていた。本人も「これだ!」と思い出したはずだ。
復調のきっかけになり得る1本。再び量産態勢に入ってもおかしくはない。爆発力では、現在パ・リーグ本塁打数トップ(21本)の浅村を上回る。ぜひ、タイトルを手にしてもらいたい。