大学・社会人野球
2023/08/25 19:30

【札幌6大学野球】開幕試合 プロ注目左腕の滝田を欠く星槎道都大は北大に辛勝

北大戦で先発した星槎道都大の伊東(撮影・十島功)

■札幌6大学野球秋季リーグ戦 第1節第1日(25日、札幌円山)

 星槎道都大6-5北大

先発・伊東が5回3失点

 札幌6大学野球秋季リーグが開幕し、星槎道都大が北大に競り勝った。プロ注目左腕の滝田一希投手(4年、寿都)や正捕手の伊藤優捕手(3年、星槎国際湘南)を欠く中、伊東佳希投手(4年、旭川北)が先発し5回3失点と試合をつくった。その後、2投手を継投し最後は1点差で逃げ切った。春秋連覇への壁は高いが、チーム一丸となって戦い抜く。

 春の王者が苦戦を強いられた。二回に幸先良く大量5点を挙げたが、先発・伊東の制球がピリッとしなかった。直後の二回裏には四球と連打で簡単に失点。四回にも先頭からの連続四死球をきっかけに2失点を喫した。この日最速145キロの直球を軸に8三振を奪うなど要所は締めたが、二宮至監督(69)は「もう過ぎたことだからしょうがないんだけど、オープン戦の時から球のキレがなかった。普段の練習から走っていない」とピシャリ。

「ボールが抜けて、無理矢理上半身で投げようと悪循環に」

 5四死球と制球が乱れたことで5回99球と球数はかさみ、後続にマウンドを託した。「ボールが抜けてしまい、すぐに修正できなかった。抜けることを意識して無理矢理上半身で投げようとする悪循環に陥った」と反省の弁。苦しいスタートになったが、白星は譲らなかったことだけは収穫だ。「初戦は野手のおかげで勝てたので反省するところを反省して、リーグ戦なんで切り替えて次の試合から入れればいい」と力を込めた。

エース不在「第2節に間に合えば」

 今季は難しいリーグ戦になりそうだ。滝田が6月の日本代表候補合宿に参加後、左臀部を痛めた。今月上旬のオープン戦で一度登板したが、痛みが再発し1イニングもたずに降板した。スタンドでチームメートの戦いを見守った左腕は「焦っています。自分に腹が立つ」と苛立ちを隠さなかった。この第1節での登板はなく、指揮官は「第2節に間に合えば」と話したが、夏の実戦登板がほとんどないだけに慎重に復帰への道を進めざるを得ない。

 また6月の日本選手権が終わり、4年生の大半がチームを引退した。残ったのは滝田、伊東、松田航瑠、飛渡翔太の4投手のみ。春に正捕手を務めていた伊藤も今月中旬に釧路で行われたタンチョウリーグに参加した際に右手首を骨折。この日は1年生の木川幹太(鵡川)が先発マスクを被った。

春秋連覇へチーム一丸で乗り切る

 それでも伊東は「今いる中ではベストメンバー。今いるメンバーでなるべく勝って、(けが人が)帰ってきたときに楽にプレーさせてあげられるようにしたい」とチームの思いを代弁した。二宮監督も「2、3年生にはチャンス」と下級生たちの台頭を願った。一戦必勝を重ねていくことで、チームに自信が生まれるはず。ピンチをチャンスに変え秋季リーグも制してみせる。

 

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