大学・社会人野球
2023/08/25 20:00

【札幌6大学野球】北海OBの杉林 公式戦初ホームランが劇的3ラン 北海学園大サヨナラ発進

東海大札幌戦でサヨナラ3ランを放ち、スタンドに喜びを表す北海学園大の杉林(中央)(撮影・十島功)

■札幌6大学野球秋季リーグ戦 第1節第1日(25日、札幌円山)

 北海学園大7-4東海大札幌(延長十回タイブレーク)

後輩の活躍励みに初戦で爆発

 「HOKKAI」の勢いを加速させる。北海学園大がタイブレークの末、東海大札幌に勝利した。「6番・二塁」で先発した杉林蒼太内野手(2年、北海)が延長十回2死一、二塁から右翼席に3ランをたたき込み、劇的なサヨナラで開幕戦白星を飾った。夏の甲子園では北海が2勝を挙げる躍進を見せた。母校から得た刺激を力にリーグ優勝へ突き進む。

ファウルで粘った7球目を右翼ポール際に

 一振りで勝負を決めた。4-4で迎えたタイブレークの延長十回。犠打失敗と三振で流れは良くなかったが、杉林の勝負強さがさく裂した。ファウルを重ねながら迎えた7球目。カウント1―2から内角低めのカットボールを振り抜くと白球は右翼ポール際に飛び込んだ。「距離的には外野(の頭)を越えたと思ったので。あとはフェアに入ってくれればと願っていました」。

2番手投手攻略に手こずり五回以降「0」行進

 四回終わって4-4と点の取り合いだったが、中盤以降は拮抗した展開が続いていた。特に六回から登板した東海大札幌の登坂真大投手(4年、札幌光星)に手こずった。140キロ後半の直球と多彩な変化球を織り交ぜてくる右腕に対し、杉林の打席までは4回⅔で1安打1四球と無得点に封じられていた。杉林の打席でも2球で追い込まれ登坂のペースに見えたが、活路を見出すために食らいついた結果が最高の結果となった。

柵越えも小学生以来「興奮しすぎてちょっと覚えてない」

 公式戦では人生初の本塁打。柵越え本塁打も小学生以来となる一撃に「自分でも興奮しすぎてちょっと覚えてないけど、最後に決められて良かったです」と喜んだ。島崎圭介監督(52)も「杉林は本当に勝負強い」と手放しで称賛した。1年春から出場していることもあり、「チャンスではより集中できる」と2年生ながらも試合中に浮き足立つことはない。

「後輩たちがとてもいい結果を残してくれた」

 後輩から刺激を受けないわけがなかった。杉林は今夏の甲子園で3回戦まで進んだ北海出身。2021年には南北海道を制し「6番・一塁」で甲子園出場も果たした。自身は初戦で神戸国際大付に敗れたこともあり「後輩たちがとてもいい結果を甲子園で残してくれた。自分もOBなので頑張らないとなっていう風に刺激をもらってます」と喜んだ。甲子園終了後には2学年下の長内陽大(はるた、北海3年)に連絡を入れたという。

 余念のない準備が結果につながった。今年に入ってから選手たちが主体となってタイブレークの練習時間を増やした。タイブレークの紅白戦やケース打撃など攻守両面での備えをしたことで、「試合の中でも耐えられる自信がありましたし、延長に入ってからのしびれる場面でも気合が入ったと思います」と胸を張った。

2021年春以来のリーグ制覇へ

 投手力も充実する北海学園大は2021年春以来のリーグ優勝を目指す。杉林は「チーム一丸となっていいスタートを切れた。厳しい試合が続くと思うので、この勢いを持ってチーム全員で優勝して、(道6との)代表決定戦に行けたら」と意気込んだ。次は自分たちが「HOKKAI」の名をとどろかせる。
 

東海大札幌戦でサヨナラ3ランを放ち、チームメートと抱き合う北海学園大の杉林(中央左)

 

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