《荒木大輔のズバリ解投》完璧なピッチングを披露した吉田 次が大事になる
■パ・リーグ18回戦 日本ハム0ー5西武(8月25日、ベルーナドーム)
五回までと六回以降で別人だった上沢 投手は難しい生き物
体の状態、ボール自体も素晴らしかった上沢。五回までと六回以降とでは、まったくの別人。別内容になってしまった。ポイントは六回1死一塁で1番の源田に右前打されたシーン。その後、2死までこぎ着けたのだが、一気にボールが甘くなり、2本のタイムリーを浴びた。六回は2死を奪った後に2失点。この回はもう、完全に集中しきれていなかった。
投手とは難しい生き物だ。特に責任感が強い上沢。六回、源田に打たれ、何とか自分の力で流れを引き寄せようとしたはずだ。その思いが力みにつながったのかもしれない。上沢に限らず、気持ち一つの変化で内容が逆になってしまうことがある。そういうマウンドだった。
久しぶりに輝星らしい投球を見た 素晴らしい内容
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一方、吉田が今季1軍初登板で完璧なピッチングを披露した。私自身、久しぶりに輝星らしい投球を見た。3者凡退という結果もさることながら、内容が素晴らしかった。持ち味のストレートで見逃しと空振りの2三振を奪った。
気持ちの高ぶりが余計な思考を振り払った
もともと、「何をしなきゃいけない」、「どうやって投げるべきか」と考え込んでしまうタイプ。それが自分らしいフォームの邪魔をする時があった。今回は違った。やっとたどり着いた1軍舞台。ここで投げられる喜びと興奮、緊張感。気持ちの高ぶりが余計な思考を振り払ったのだろう。シンプルに投げることへ全集中できていた。
今季初登板は二重丸。だからこそ、次が大事になる。2~3試合、さらにその先と、今回のような内容を続けていけるか。楽しみであり、期待もしていきたい。
平良に完敗の打線 5位の西武に連敗はできない
打線に関しては、西武先発の平良が良すぎたと割り切るしかない。とはいえ、シーズンも終盤。1つでも順位を上げるために勝利は必要だ。ましてや5位に浮上するためにも直接、叩かなければいけない相手。何とか2連勝で勝ち越したいところだ。となれば、4位・楽天の背中も見えてくる。