夏季スポーツ
2023/08/26 19:30

パルクール国内大会が2年連続で札幌開催! 男子は関雅仁、女子はこはな(今福心椛)が優勝

パルクール国内大会の会場となったサッポロファクトリー(撮影・十島功)

男子14人、女子5人の国内トップが集結

 「TOKIOインカラミ presents PARKOUR PREMIER CUP 2023 in 札幌」が26日、サッポロファクトリーのアトリウムで行われた。札幌では昨年に引き続き2度目の開催。男子14人、女子5人の国内トッププレイヤーが集い、アクロバティックなアクションで観客を熱狂させた。男子は関雅仁(TOIKOインカラミ、27)、女子はこはな(今福心椛/Ever Fit Athlete Club、12)が優勝した。

 今大会は最大70秒の中で自由演技を披露する「フリースタイル」で行われた。Eスコア(実施点)最高15点、Dスコア(難度点)最高15点の合計30点満点。コースに設けられた障害物を「走る」「跳ねる」動きで飛び越えていった。昨年の前回大会覇者で19年の世界大会でも優勝した朝倉聖(TOIKOインカラミ、24)や、W杯2023で準優勝を果たした鈴木智也(TOKIOインカラミ、25)も参加。

決勝で30点満点中28点をたたき出した関が男子V

 予選で26点の高得点を記録し2位に付けた関は、決勝でさらに得点を伸ばした。迫力のあるランを見せ、脅威の28点。2位の宮崎裕来(TOKIOインカラミ、21)も27.5点と高レベルな争いに、観客からはどよめきが起こった。関は「率直にうれしいです。パルクールは自分自身のスキルを見極めて挑戦していくという意味で高難度の技をすることができたので、そこは自分に勝ったのかな」と喜んだ。

男子優勝の関雅仁

 

男子2位の宮崎裕来

 

男子3位の朝倉聖


女子は最年少12歳の今福が優勝

 女子では決勝で18.5点をマークした最年少のこはなが制した。「最初の着地で安心できた。ちゃんと足を伸ばしたり、着地を安定させたり、最終的にノーミスでできたので良かったです。予選1位通過のまま、優勝することができたので、すごい嬉しい気持ちでいっぱいです」と安定したパフォーマンスで頂点に立った。

女子優勝のこはな

 

女子2位のumika(堀海香)

 

女子3位のコハクスター(水由心彗)


道産子・星は初の大会出場

 道産子では唯一の参加となった星信太朗(JOKER CREW、23)は予選敗退。自身初めて大会に参戦し「選手側として参加してみて、外から見てるよりも体力的にきつかった。すごいシビアだと実感した」と想像以上の過酷さだった。他の選手とも交流を深め「フリースタイル事情も聞けた。技の難易度とけがのリスクが比例してくる中でのリスク管理も考えていた」と刺激を受けたようだ。同じく北海道出身の杉原悠斗(JOKER CREW、16)は2日前に負傷し今大会は欠場した。「今年こそ『かますぞ』と思ってたんですけど、とても残念です」と肩を落とした。

 新たなアーバンスポーツであるパルクールは、28年のロサンゼルス五輪の新種目候補にも挙がっている。教育やリハビリにも取り入れられるなど、生涯スポーツとしても大きな可能性を持つ。夏の終盤、多くの子供たちも見守った中で、トップ選手たちが最高の演技を披露した。

参加選手で唯一道産子の星信太朗

 


■パルクールとは フランス発祥の「移動動作」で心身を鍛える運動方法。街や森で、自由にスタートとゴールを決めて、障害物を越えることで体を鍛えていく。「スポット」と呼ばれる周囲の環境で練習する。スポットに条件はなく、街中・公園・森・岩場など、いかなる環境もスポットとなる。また近年ではパルクールパークやパルクールジムと呼ばれる専用の練習場の整備も進んでいる。昨年は東京で第1回世界選手権が開催された。競技種目としては、技を披露し、その点数で競う「フリースタイル」と、スタートからゴール地点までに設置された障害物を越え、そのタイムを競う「スピードラン」などがある。

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