《岩本勉のガン流F論》自分の投球に確信を持った伊藤 9月は3勝以上も見込める
■パ・リーグ19回戦 日本ハム7-0西武(8月26日、ベルーナドーム)
答え合わせのマウンドで存分に見せた〝らしさ〟
伊藤らしさがさく裂した。前回登板で、それまでの不振を振り払う8回2失点の好投を見せた。今回はいわば、答え合わせのマウンド。見事に「本物」であること、完全復調したことを証明した。
五回以降パーフェクト 決め事を遂行すれば結果は付いてくる
前回のピッチングで、自信を取り戻したのだろう。当たり前の決め事を遂行すれば、結果は付いてくる。それが分かっていた。四回以降は先頭打者の出塁を許さなかった。それが五回以降のパーフェクト投球につながった。ゆったりとしたフォームと間合いで、三振、ゴロ、フライと実にバランス良く、相手打者を手玉に取った。
「ややこしいゾーン」に入った西武打線 見極めた伊藤の圧倒的投球
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
序盤で点差が開いた。西武打線は、戦意喪失とまでは言わないまでも「ややこしいゾーン」に入っていた。それを感じた伊藤。バッターを圧倒し、試合を支配。終わってみれば、無四球完封だ。
好投を後押しした1つのプレー 守備からリズムを
伊藤の好投は素晴らしかった。それは揺るぎない。ただ、1つのプレーがポイントにもなった。二回の守備。2死一、二塁で西武の西川が左前打。レフトの野村は判断良く三塁へ送球し、二走がホームに生還する寸前で一走の三進を阻止した。
これで伊藤は乗った。守備からリズムを―とはよく言われる。これは打線に対してのものだけではない。堅実な守りはピッチャーのリズムも整えるのだ。この二回に1点を与えていたならば、首脳陣は終盤の八、九回、調子を上げてもらいたい投手をマウンドに送った可能性もある。
チーム全体がつくり上げた「伊藤の日」 道産子バテリーの息もぴったり
そして女房役の伏見。初球に緩いボールを選択するなど、ゆとりのあるリードを披露。道産子バッテリーの息はぴったりだった。チーム全体が後押しし、つくり上げた「伊藤の日」。これまで手探りだったであろう本人も自分の投球に確信を持ったはずだ。9月、3勝以上も見込める。ぜひ、3年連続の2桁勝利を果たしてもらいたい。