札幌GK高木駿が古巣・川崎戦で新天地デビュー 痛恨ミスも存在感発揮「逃げずにどんどんチャレンジしていく」
■J1第25節 川崎2-2札幌(26日、神奈川県・等々力陸上競技場)
トンネルの出口はすぐそこまで来ている
2点リードの状況から同点に追い付かれ、北海道コンサドーレ札幌のリーグ戦での未勝利は9試合にまで延びてしまった。だがその戦いぶりには、トンネルの出口がもうすぐそこまで来ていることを予感させた。
J2大分から完全移籍で加入したGK高木駿(34)が合流わずか1週間で先発起用された。プロキャリアをスタートさせた古巣・川崎相手に新天地デビューを果たし、「相手が川崎というのもあるし等々力ということもあって、本当に試合はすごく楽しめました。札幌のサッカーをしっかりと自分では体現できていたと思う」と札幌での公式戦初戦を振り返った。
前半はパーフェクト言えるような展開
前半は攻守で川崎を圧倒した札幌。前半27分にMFスパチョーク(25)の衝撃的な右足ダイレクトボレーで先制すると、同35分にはゴールを決めた試合では23勝1分(試合前時点)の不敗神話を持つMF駒井善成(31)が、スパチョークのクロスを右足で押し込んでリードを2点に広げた。前半のシュート数は札幌の10本に対して川崎は何と0本。パーフェクトと言えるような展開で試合を折り返した。
だが、試合の転機は突然訪れた。後半8分、DF岡村大八(26)が自陣ペナルティーエリア手前で川崎FWマルシーニョ(28)と接触し、マルシーニョが数歩先で転倒。一度はノーファウル判定でプレーが続行されたが直後にVARが介入。主審によるオンフィールドレビューの結果、岡村は得点機会を阻止したとして一発退場となった。
1人少ない中で味方との意識がずれて失点
残り40分弱を10人で戦うことになった札幌に、追い打ちをかける出来事が起こる。後半22分、ゴールキックの場面で高木がDF田中駿汰(26)に出したパスをマルシーニョがカット。ボールをつながれゴールネットを揺らされてしまった。「ゴールキックの場面で1人少なかったので、相手の陣形が整っていない中で早く始めた方がボールを持って前進できるなと思って、早く始めてしまって。周りは時間を取ってほしいという意識だったと思うんですけど、味方がボールを見ていないのを僕も見ていなくて、それでずれてしまいました」と高木は痛恨の瞬間を振り返る。