鉄腕リリーバー宮西 2軍で4戦連続無失点 「シーズン残り1試合だろうが、しっかり体をつくっておきたい」
■イースタン・リーグ19回戦 ロッテ0ー4日本ハム(8月27日、エスコンフィールド北海道)
六回頭から3番手登板 危なげなく1安打無失点
1軍復帰への準備は完璧に整った。日本ハムの宮西尚生投手(38)が27日、エスコンフィールド北海道で行われた2軍ロッテ戦の六回から3番手で登板。1イニングを危なげなく無失点で切り抜けた。7月23日に登録抹消されて以降、ファームでは4試合連続無失点。鉄腕はタフな夏を越えて状態を上げている。
格が違う。圧巻のパフォーマンスでロッテ打線を寄せ付けなかった。1死から打ち取った打球が内野安打になる不運はあったが、後続をシャットアウト。最速141㌔を計測した直球を軸に、テンポ良くアウトカウントを重ねた。
コンディション、球の強さともに復調
「ファームに行ってからも状態が悪いわけじゃなかった。去年みたいに、肘が痛くて球が投げられない感じもない。なんて言うんかな…体がちょっとスカスカだなと感じていた。だから走り込んだり、ウエートをガッツリやって体を戻した。(降格後)1週間もしないうちに、コンディションもキャッチボールも力強さが戻って来たね」
〝ミニキャンプ〟で徹底的に走り込み 「ファームは鍛える場所」
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炎天下のグラウンドで徹底的に体をいじめ抜いた。〝ミニキャンプ〟と称した7月下旬は、来る日も来る日も下半身を追い込んだ。一日の始まりは決まって約40分のウオーキング。その後はPP(ポール間走、約200㍍)14本、100㍍15本、50㍍20本と、気の遠くなるような走り込みの量を自らに課してきた。
直射日光が当たる酷暑の鎌ケ谷。「10日連続の熱中症よ(笑)」と実際に意識も遠のいた。それでも走り続けるのが、鉄腕と呼ばれる男の美学だ。「ファームは調整する場所ではなく、鍛える場所やと思っている。鍛えた中で結果を出していかな成長せえへん。それはベテランも若手も一緒やね」と生きざまを背中で示してきた。
若手の生きた教材 木田2軍監督「いろんなところで学んでほしい」
その取り組みを間近で見てきた木田2軍監督は、「適当なヤツだけど、昔から野球のトレーニングやケアはしっかりやる。だから長くやるだけじゃなくて、これだけたくさん試合で投げてくれている。(若い)選手たちは、いろんなところで学んでほしい」と柔らかな笑みを浮かべた。
衰え知らずのベテラン左腕 金字塔の400ホールド目前
積み上げたホールド数は393。大台到達は目前に迫るが、左腕に焦りはない。「僕が早く上がりたいからと言って、上がれるものではない。呼ばれた時にベストの状態を持っておかな、いけないと思ってる。だから、追い込むのは変わらない。シーズン残り1試合だろうが、終わるまではしっかりと体をつくっておきたいね」。衰えぬ向上心がベテランの体を突き動かす。