執念の男・今川 プロアマ交流戦で原点回帰の2安打「初心を思い出しました」
■プロアマ交流戦 北海道社会人・大学選抜3ー3日本ハム(8月28日、栗山町民球場)
「4番・DH」でフル出場 マルチ安打でプロの意地
打ちまくって、道を開く。日本ハムの今川優馬外野手(26)が28日、栗山町で行われた2軍と北海道社会人・大学選抜チームのプロアマ交流戦に「4番・DH」で先発出場。五回の先制打を含む2安打の活躍で観衆を沸かせた。
原点回帰のゲームになった。試合を終えた今川は開口一番に「ちょっと感慨深いものがあります。みんなガンガン、アピールしようとプレーしていた。当時、プロを目指してアピールに必死だった自分のようで、初心を思い出しました」と爽やかな笑みを浮かべ、大粒の汗を拭った。
5年前はアマ側で出場 プロ1年目の清宮とも〝対戦〟
さかのぼること5年前。当時、東海大札幌の4年生だった今川は、この日と同じ舞台で行われたプロアマ交流戦に出場。アマチュア側の一員として日本ハム2軍と対戦していた。「ファイターズの選手を見て『いいな~』と思っていました。そこには1年目の清宮もいました。恐れ多くて話しかけることもできなくて、ただ遠くから見つめていました」と、ほろ苦い記憶を振り返った。
札幌6大学リーグで大暴れ 選抜入り勝ち取った
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一心不乱にプロ入りを目指していた青春時代。狭き門をくぐり抜けて、アピールの場にたどり着いた。当時は、札幌6大学リーグの春季リーグ戦で打率1位、2位を記録した選手が、選抜チームのメンバーに選出されるのが慣例だった。遠い世界にいるプロとの対戦を実現させるため、今川はリーグ戦で大暴れ。もくろみ通りに首位打者を獲得し、リーグ新記録となる5本塁打を放ってみせた。
熱望していたプロアマ交流戦には「基本は社会人の選手がメインなので、僕はスタメンではなかったことを覚えています」とゲーム途中から出場。後にチームメートとなる田中瑛、高山と対戦した。結果は四球と遊飛で快音を響かせることはできなかったが、「初めてプロへの手応えをつかみました。もしかしたら、そこで今川という名前を覚えてもらえたかも」と確かな手応えを感じ取った。
有言実行の2安打 「少しは良いところを見せられたかな」
交流戦はアマチュア選手にとって貴重なアピールの機会だ。この一戦が持つ意味を誰よりも知っているから、何よりもガチンコ勝負にこだわっていた。試合前から「まさかアマチュア側、プロ側どっちも出るとは思わなかった。次は僕が社会人、大学生にしっかり良いところを見せられるように頑張りたい」と闘志を燃やしていた。
並々ならぬ思いで臨んだこの日の試合では、2安打1打点の活躍。「チャンスをつぶしまくったので戦犯になるところでした。危なかったです。少しは良いところを見せられたかな」とプロの面目を保ち、安堵した。
ひたむきなアマ選手から刺激 1軍再昇格へ「打ちまくります」
プロを目指す若者のガムシャラなプレーから、大きな刺激をもらった。初心に返った今川は、残り1カ月となったレギュラーシーズンでの活躍を誓う。「結局、僕は打ち続けるしかない。野村とかよりも打たないとチャンスはもらえない。(今季は1軍で)まだホームランは出てないけど、打席を重ねれば打てると思っている。その打席をもらうためにはファームで結果を残すしかない。打ちまくります」。プロ入りの原点・栗山町から、大逆襲が始まる。