大学・社会人野球
2023/08/30 18:10

【札幌6大学野球】星槎道都大 最速148キロ左腕の佐藤爽がリーグ戦初完投・初完封!

北海学園大戦でリーグ戦初完封勝利を挙げた星槎道都大の佐藤爽(撮影・十島功)

■札幌6大学野球秋季リーグ戦 第1節第5日(8月30日、札幌円山)

 星槎道都大2-0北海学園大

好スタートを切った春の最優秀投手

 春の最優秀投手が本領を発揮した。星槎道都大の最速148キロ左腕・佐藤爽投手(3年、札幌山の手)が北海学園大戦でリーグ戦初完投、初完封勝利を挙げた。滝田一希投手(4年、寿都)を負傷で欠く中、主戦としての働きが求められる左腕が、秋季リーグ初登板でこれ以上ない投球を見せた。4勝0敗の結果を残した春の勢いそのままに、好スタートを切った。

真っすぐ中心に142球 4安打8奪三振

 「9割方真っすぐ」という強気な投球で北海学園大打線をシャットアウトした。142球を投げ、散発4安打8奪三振。4つの四球を与えたが、時折混ぜたスライダーでタイミングを外し、打たせた併殺は4つを数えた。1点リードの五回には1死二、三塁のピンチを迎えたが、ギアを上げた。「気持ちが少し勝った」と140キロ前後の直球を軸に、連続奪三振で切り抜け、雄叫びを上げた。

二宮監督「これで優勝争いに残れた」

 リーグ初となる完投&完封勝利。「チームの雰囲気が最悪で、ピッチャーのミスでの失点が多かった。それをどうにか断ち切られたらと思って投げたので良かった」と汗をぬぐった。二宮至監督(69)も「140球を投げたのは初めて。いいピッチングでした。後半は低めに来ていた」と目を細め、「これで優勝争いに残れた」と安堵する大きな1勝となった。

夏は直球の質改善のためフォーム固めに専念

 6月の日本選手権、大商大戦ではリリーフで登板したが、本塁打を浴びるなど3失点。「真っすぐが全然通用しなかった。練習しないと上ではやっていけない」と実力不足を痛感した。だが、夏のオープン戦では思ったように状態が上がらなかった。春季リーグから二宮監督の意向で二刀流に挑戦していることもあり、フォームが崩れたという。直球の質が落ちたこともあり、夏の間は打撃練習を取り止め、フォーム固めに専念。「不安だった」という中での秋季リーグ初マウンドだったが、「今日しっかり投げられて(直球の状態が)少し戻ってきた」と胸を張った。

道6からは東農大北海道が勝ち上がって来る想定

 リーグ開幕の3日前から打撃練習を再開し、このリーグ戦も二刀流で臨んでいる。25日の北大戦で二塁打を放つなど、「打」でも結果を残した。本業は投手という思いは変わらないが「自分に期待してくれている。そこにしっかり応えたい」。滝田は負傷しており、4年生の大半が引退して臨むリーグ戦。「投手面でも打撃面でも、自分が機能していかないと勝てない」と自覚は十分。視線は当然、神宮大会に向いている。「(代表決定戦には)東農大(北海道)が上がってくると思うので、まず札6を勝って、東農大をやっつける」と力を込めた。佐藤爽が新エースとして名乗りを上げる。

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