《G大阪戦後》チームが苦しい時期をハードワークすることでようやく乗り越えたことを賞賛したい
■J1第26節 札幌4-0G大阪(2日、札幌ドーム)
―試合を振り返って
今日のゲームに勝利できたことは非常にうれしいし、「9試合勝てていないけれども」という質問を受けなくていいのもうれしい(笑)
どこのポジションでもできるようにならなければいけない
―MF浅野を右ワイドの位置で途中起用した
浅野に関しては広島時代もワイドのポジションをやっているので決して新しいことではない。キャンプ中も右のワイドをやることはあったので決して今日突然始めたわけではないし、今週のトレーニングの中でも試していたのでこれまでと違うことを始めたということではない。
CBの選手がボランチをやったり、あるいはシャドーの選手がボランチをやったり。ワイドの選手がストッパーをやったり、FWの選手がサイドやトップ下、ボランチをやることももちろんあるかもしれない。私は6シーズンこの札幌を率いているが、基本的に私の下でプレーしているフィールドプレーヤーはどこのポジションでもできるようにならなければいけないだろう。
攻撃的なサッカーを見られるのは札幌のサポーターにとっての特典かな
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チームが苦しい時期をハードワークすることでようやく乗り越えたことを賞賛したいと思う。応援してくれているサポーターの皆さんも非常に悔しい思いをしていたと思うし、苦しい思いはチームの選手たちと同じだったと思う。そういう思いをみんなが持ちながら「次こそは」「次こそは」と思いを持って戦い続けてくれた。その結果ようやく勝利できたことをうれしく思っている。
我々札幌はすばらしい戦いができる、見ていて面白いサッカーができるチームだと思うし、(それを見られるのは)札幌のサポーターにとっての一つの特権だと思う。もちろんサッカーを見る価値観の違いはあると思うが、ロングボールとセットプレーというサッカーを見たいのか、あるいは札幌のようなサッカーを見たいのかは人それぞれの好みはあるが、こういう攻撃的なサッカーを見られるのは札幌のサポーターにとっての一つの特典かなと思う。そういう意味では、今日のようにすばらしいゲームをして勝つことができたらチケット(の値段)は倍でもいいぐらいかなと思いますけれども(笑)。それをうちの社長に提案してみようかなと思います(笑)。
それは冗談としても、今日のゲームはチームにケガ人が多く選手が揃わない中であったが、それをチームの力で乗り越えたこと、応援してくれる方々の後押しで乗り越えたことが非常にうれしいことだと思う。
次のシーズンがわからないが、残り8試合しっかりやっていきたい
(来週の)ルヴァン杯に関しては、何人揃うのかケガ人の状況を把握しなければいけない。果たして(フィールドプレーヤーが)16人揃う状況かもしれないが、とにかく次に向かって準備しなければいけないだろう。
今シーズンも残り8試合となってきたが、その8試合をとにかく全力を尽くして戦いたいと思う。その後、次のシーズンがどうなっているかわからないが、自分自身ができることを残り8試合でしっかりやっていきたいと思うし、その後私がまた継続してやるのかそうではないのかは、クラブの方と皆さんがどう思うかも含めて話をさせていただきたいなと思っている。今後に関してはまだわからないが新しいスタートを切るのもベターなのかもしれない。
次のルヴァン杯に向けては、誰が出場できるかは微妙なところで今日もギリギリのメンバーで戦った。中3日のゲームで準備できるのかは非常に懐疑的なところもある。この2日あまり寝ずに考えて今日のゲームの準備をしたが、今日を終えてまた次の2日も寝られない日々が続くのかなと思うとなかなかストレスの多い毎日が続く。そういった部分はなかなか皆さんには伝わらないところではあるが、自分の健康を削って戦っていくのが今の私であるし、今のチーム状況がそれくらい非常に厳しい状況だというのは間違いないだろう。
具体的な試合の内容にも、もっと触れてほしいかな
結果が出るまで苦しいゲームが続いたが、(8月12日の)鳥栖戦に関してもすばらしいゲームだったと思うし、川崎とのゲームも前半は攻撃的なチームがシュート0本に抑えられたことは珍しいと思うが、退場者が出るまではそれくらい完璧なゲームをしていた。そういう戦いをしてもなお結果が出なかった非常に苦しい状況ではあったが、そういう状況の中で今日のゲームで我々が結果を出したことは非常にうれしい。
川崎とのゲームも含めて、今日のゲームもゲームの内容にもっと触れて皆さんに記事を書いてほしいと思うし、そういった具体的な試合の内容にも、もっと触れてほしいかなと感じている。
ようやく勝利できたので、ゲームについて語っていただければ私も幸せだ
ウクライナの戦争があったりとかネガティブなニュースが流れることが非常に多い世の中だが、今日少なくとも札幌を応援される皆さんにとっては幸せな午後、夜になることを私自身望んでいる。テレビを見ていると私は暗い世の中だと感じてしまうが、今日は勝ったことでサッポロビールを飲んで皆さんに楽しんでほしいなと思う。
皆さんそれぞれ自分の生活があって、いろいろ良いことも悪いことも抱えながら生きているとは思うが、少なくともサッカーを見ている間、あるいはその後の喜びはそうした日常を忘れられる時間であると思う。今日ようやく応援してくれる皆さんにそういう時間を提供できたことを私自身非常にうれしく思っているし、長く待たせてしまったことを申し訳なく思っているし今後こういう機会が増えればと思っている。
私は自分のサッカーのことだけではなく、困っている人がいれば助けたいし、あるいは人々が幸せに感じていないのであればサッカーを通じて幸せにしたいと願う人間だ。結果だけではなく、やはり見ている人にとって面白いサッカーを提供したいと思う、そういう人間だ。
その原点は私自身が子供の頃に貧しかったことがある。週に1回しか肉が食べられなかった貧しい幼少期だったし、温かい水は出なかったしトイレは(自宅から)30メートルぐらい外にあって、冬は雪が積もっていてトイレに行くのがすごくしんどかったり。日本もそういう時代があったと思うが、皆さんは若いのでそういう時代は生きていないと思うが、そういう幼少期の記憶と経験があるからこそ自分のできることで何か人のためになることがあればしてあげたいという思いがあるのが私だ。今日はようやく勝利できたので、皆さんビールを飲んでこのゲームについて語っていただければ私も幸せだ。それが人生だ。
私も9試合勝てなかったことは非常に重く感じていた
クラブで働いている方々が各方面から勝てないことを言われているのだろうなと思うと私も心苦しい思いであった。私も9試合勝てなかったことは非常に重く感じていたし、責任も感じていた。そういう意味でもなかなか大変な状況をようやく一つ勝ったことで終えられたのは良かった。