折茂代表がレバンガ北海道からの日本代表輩出を誓う「10年、20年先を見据えながら」
北広島市内のショッピングモールに選手集結
B1レバンガ北海道のTIPOFFイベントが2日、北広島市内のショッピングモールで行われ、折茂武彦代表(53)が沖縄で開催中のW杯に挑む日本代表の健闘を称えた。また、これまで以上に育成に力を入れ、将来の日本代表輩出をあらためて目標に掲げた。
W杯豪州戦を弾丸ツアーで現地観戦
折茂代表は、8月29日に沖縄アリーナで行われた1次リーグ最終戦の日本対オーストラリア戦を1泊2日の弾丸ツアーで生観戦。他の試合も逃さずチェックしている。「オリンピックに自力で出ることが、日本男子バスケットの長年の悲願。そこはあと1歩ということで、非常に期待もしています。自力でオリンピックに出ることになれば、またひとつバスケットの歴史も変わりますし機運も日本全国で高まっていくのかな」と、数時間後に控えた大一番に向けエールを送った。
ホーバス監督とはトヨタ時代に2季プレー
折茂代表と今季で引退するSF桜井良太(40)は、2006年の世界選手権(現・W杯)に共にSGとして出場した。日本代表のトム・ホーバス監督(56)とは、折茂がトヨタ入団から2季チームメートとしてプレー。ベネズエラ戦で3点シュートを7本中6本決めネット上で〝リアル三井寿〟と一気にバズったB1宇都宮ブレックスのSG比江島慎(33)は、22年6月に札幌で行われた折茂代表の引退試合に出場するなどの親交がある。
「僕らは土台を作り、若い人たちにバトンタッチした」
「僕らは土台を作ったというか、正直われわれがいなければ今はない。だから今の世代も日本代表の誇りと責任感を持って戦ってくれてると思う。そういった積み重ねが今後の日本バスケットの未来を作っていく。僕は僕らの時代でやるべきことはしっかりやれた。あとは若い世代、若い人たちにバトンタッチをしたことで非常にいい流れになった、これが一番」。元日本代表として後輩たちの戦いぶりに目を細めた。
「しっかり北海道で育成強化して輩出していく」
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11年のレバンガ北海道創設後、フル代表に選手の輩出は未だ実現できていない。「日本代表クラスはね、正直言ってお金があれば取れますけど、われわれはそういったクラブではないので。辛抱強く10年、20年先を見据えながら、しっかり北海道で育成強化をして代表選手を輩出していく。または世界レベル、いわゆるNBAといわれる世界最高峰のリーグでも戦えるような選手をわれわれが輩出していくことがクラブのビジョン。しっかりそのビジョンに従ってやっていければ」。かつて日本バスケットボール界を支えたレジェンドの後継者を育てていく。
U18のSF内藤耀悠が世代別代表に選出
その種は芽吹き始めている。B1ライセンスには下部組織の保有が義務づけられており、各クラブがU15、U18を発足。21年からは国内大会も始まった。レバンガも18年にU15、21年にU18を創設した。U18の1期生・SF内藤耀悠(17、北海道文教大附高3年)が昨年世代別代表に初選出。9月5日から2カ月間、世界1位のスペインに武者修行にいかせるなど未来の卵を大事に育てている。
この盛り上がりを一過性のモノにしたくはない。過去、男子ラグビーや女子サッカー、女子ソフトボール、女子アイスホッケーなど、国際大会出場やメダル獲得を契機にリーグを活性化した例は多いが、人気の継続が課題となっている。
W杯の盛り上がりを「追い風にしていきたい」
48年ぶりに地力でのパリ五輪出場権を獲得し、盛り上がる日本バスケットボール界。各クラブに所属する代表選手見たさに全国のアリーナに足を運ぶ観客が増える可能性がある。レバンガに代表選手はいないが対戦相手にいるケースも想定される。「今回、ゴールデン(タイム)の中で試合が(TV)中継される。それだけ多くの方々が画面越しに見たり、沖縄アリーナもあれだけ盛り上がっていた。10月に開幕を迎えるわれわれにとっては、それをしっかりプラスに考えて追い風にしていきたい」。将来の日の丸輩出のためには、まずは足元の北海道のバスケットボールファン拡大が第一歩となる。