札幌ついにトンネル抜けた! タイから約50人の現地応援受けたMFスパチョークが2ゴール
■J1第26節 札幌4-0G大阪(2日、札幌ドーム)
6月3日柏戦以来の勝利
ど派手な4発大勝で、長いトンネルをついに抜けた! ホームでガンバ大阪と対戦した北海道コンサドーレ札幌は攻守両面で相手を圧倒し4-0で勝利。6月3日柏戦(三協F柏、5〇4)以来となる10試合ぶりの勝利をつかみ取った。
前節川崎戦に続くゴール
この試合で大活躍を見せたのが、先制ゴールを含む2得点をマークしたMFスパチョーク(25)。母国から駆けつけた大勢の人々からの応援を力に変え、前節の川崎戦(等々力、2△2)に続いて、またしても札幌サポーターに強いインパクトを残した。〝タイの至宝〟と呼ばれる男が、その名に違わぬ強い輝きを放ち続けている。鮮烈なダイレクトボレーを披露し1ゴール1アシストの活躍を見せた川崎戦に続いて2試合連続でスタメン出場したスパチョークが、札幌ドームのピッチの上でもすばらしい躍動を披露した。
「ボールを1回落としたのが良かった」
口火を切ったのは前半13分。左サイドでボールをキープしていたFW小柏剛(25)からパスを受けると、ワントラップ後すばやく右足を振り抜いた。ゴールマウス手前でワンバウンドしたボールはG大阪GK東口順昭(37)が伸ばした両手をすり抜けて右サイドネットへ突き刺さった。「(パスを受けた)瞬間、シュートしようと思って。ボールを(ゴール前で)1回落としたのが良かった。入ってくれて良かったです」。10試合ぶりの勝利を目指すチームにとって、のどから手が出るほどほしかった先制点を見事にゲット。川崎戦のゴール後には「入った瞬間、びっくりして固まってしまいました」と直立不動のままチームメートの祝福を受けたが、この日の先制点後はダンスパフォーマンスを披露してゴールの喜びを表現した。
小柏シュートのこぼれ球を押し込む
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そして勝負の行方を左右する〝次の1点〟をゲットしたのもスパチョークだった。後半14分、G大阪陣内でドリブル突破を図ったMF駒井善成(31)が、相手DFからファールを受けて転倒。アドバンテージが取られてプレーオンとなる中、こぼれ球を追うG大阪守備陣の緩慢な動きを突いた小柏が全力疾走でボールを奪取し、そのままペナルティーエリア内へドリブルで進入。小柏の左足でのシュートは東口に阻まれたものの、しっかりゴール前に詰めていたスパチョークが右足でこぼれ球を押し込んで、今季6得点目となる貴重な追加点を決めた。
22試合ぶり完封勝利
このゴールで完全に試合の主導権を握った札幌は、同44分にFW金健熙(28)の今季2得点目でG大阪を突き放すと、同アディショナルタイム2分にはMF浅野雄也(26)が2桁の大台に乗せる今季10得点目をマークしてダメ押し。守備面でも出場停止のDF岡村大八(26)に代わって3バックの中央で先発したMF宮澤裕樹主将(34)が、昨年のW杯にも出場したチュニジア代表FWイッサム・ジェバリ(31)をシャットアウト。移籍加入後2戦目で、札幌の選手としては初めて札幌ドームのピッチに立ったGK高木駿(34)も攻守に持ち味を発揮して、3月12日の第4節横浜M戦(札幌ドーム、2〇0)以来、実に22試合ぶりとなる完封勝利を達成した。
タイメディア20人、政府関係者30人が応援
この日はJリーグからの招待を受けて先月31日の練習見学にも訪れた約20人のタイのメディア関係者およびインフルエンサー、そしてスポーツ庁長官らタイの政府関係者約30人が札幌ドームに来場。後半39分でピッチを後にし、「考えていましたけど、3点目のチャンスが無かったですね」と、惜しくもハットトリックとはならなかったが母国の人々の前で大活躍を披露してみせた。「今までチームの状況が悪い方向に向かっていたので、今節は勝利することに集中してやっていました。勝利できて良かったです」と胸を張る。
タイ代表戦のため、ルヴァン杯は欠場
この後はタイ代表の活動に参加するため、6日および10日に行われる横浜Mとのルヴァン杯2試合は欠場となる。スパチョークへの報道陣の囲み取材中に横を通りかかったミハイロ・ペトロヴィッチ監督(65)から「チェック(スパチョークの愛称)、代表行かないんでしょ」と、やや本音が混じりと思われるジョークを飛ばされるほどチームに欠かせない存在となった背番号49が、タイ国内を、そして北海道を熱狂させる。