王柏融 5番抜てきに応え〝由伸撃ち〟「一番いい投手から打てて光栄」
■パ・リーグ21回戦 オリックス1-0日本ハム(9月2日、エスコンフィールド北海道)
二回に初球をライト前へ
最強のエースを追い詰めた。日本ハムの王柏融外野手(29)が2日、エスコンフィールド北海道で行われたオリックス戦に「5番・左翼」で先発出場。二回無死一塁で迎えた第1打席で、相手先発・山本由伸投手(25)の初球を右前へ運び、好機を拡大した。
「失投をしっかり捉えられた」
本拠地で快音を響かせた王柏融は「きょうは失投をしっかり捉えられた。本当に素晴らしい投手。全ての球種、精度、球の質が最高級。一番良い投手から自分がヒットを打てて光栄です」と、快心の一振りを笑顔で振り返った。
一昨年に東京ドームで放った一発が新庄監督の脳裏に
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試合前時点で山本との対戦成績は15打数5安打。2021年5月には本塁打を放つなど、相性の良さを示していた。2年前の一発を把握していた新庄監督は、前夜から「映像で見ていて、めちゃくちゃ印象に残っているんです。東京ドームの一発。あのスイングは合いそうな感じがします」と先発起用を示唆。クリーンアップに抜てきした成果はゲーム序盤に表れた。
「状態が良いときに山本さんと対戦できている」
好相性の要因を、王柏融自身は「毎回、状態が良いときに山本さんと対戦できている。ちょっと調子が悪くなると良い結果にはつながらないと思います」と分析する。裏を返せば、コンディションさえ整えば、その打撃技術はあらゆる一流投手に通用する。来日5年目のシーズンを送る台湾の至宝は、確かな自信を胸にバッターボックスへ向かっている。
一回には守備で好返球
バットで結果を残す一方、この試合では守備でも懸命なプレーを披露した。一回1死二塁。中川圭の左前打に素早くチャージすると本塁へストライク返球。紙一重のタイミングで補殺は逃したが、新庄監督は「もう全然余裕でセーフかなと思っていたら、きわどいボールを投げてね。(守備も)いけますね」と高く評価した。
「監督に使ってもらうときに全力を出せるように」
台湾プロ野球では2年連続で打率4割超を記録し、2017年には3冠王を獲得。数々の輝かしい実績を収めてきた。しかし、日本球界ではポテンシャルを発揮できず、昨オフには自由契約を経験。育成契約から再出発を図った今季、1つのプレーに懸ける思いは誰よりも強い。「良い感覚が多くなるように毎日練習します。自分にできる全ての準備をして、監督に使ってもらうときに、全力を出せるようにやっていきます」。台湾のスターはどん欲に、結果を追い求める。