《岩本勉のガン流F論》一人前になった上原よ、一流の先発投手を目指せ
■パ・リーグ22回戦 オリックス3ー1日本ハム(9月3日、エスコンフィールド北海道)
状態は悪くなかった 点の取られ方が悪かった上原
先発の上原が5敗目を喫した。立ち上がりから、決して悪い状態ではなかった。3点こそ取られたものの、七回の交代もKOされたわけではなかった。ただ、取られ方が悪い。二回に先制されたシーン。2死走者なしから、連続四球でピンチを招き、そこから連続ヒットだ。
今季、苦しみながらも先発投手として一人前になった。十分にクオリティースタート(QS、6回以上を自責点3以内)を表現できるまでに成長した。8月20日のオリックス戦では、勝ち星に恵まれなかったものの、9回無失点と好投した。
成長を実感しているからこそ、注文させてもらう!
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一人前になったからこそ、注文のレベル、指摘のレベルを上げさせてもらう。今後、一流の仲間入りをしていくためには先制点を与えないこと。取られたとしても、その取られ方が重要。チームを勝たせる投球ができてこそ、一流と言えるのだ。
二回の2四球は、ジャッジに嫌われたと思わせるほど、良いボールでもあった。それでも、そこからどうやって立て直すか。ベンチに「大丈夫か?」と思わせてはいけない。さらに上のレベルに到達するには、まだまだ身に付けなくてはいけない要素がある。
上沢が見せる一流の投球 打線を鼓舞するアウトの取り方
一流と誰もが認める存在はチームでも一握り。日本ハムでは上沢の名前が真っ先に挙がるだろう。打線を鼓舞するアウトの取り方ができるピッチャー。1日の完封は実に見事だった。上原は、シーズン終了まで先発ローテーションを任せられるはずだ。それだけの信頼はすでに勝ち得た。今後、チームをどうやって勝たせていくか、注目したい。
見事な踏ん張りを披露した山本拓 自身も助けたワンプレー
八回に3番手で登板した山本拓は踏ん張りの効かせ方が見事だった。正直、ウイニングショットに苦慮していた。そこで招いた無死一、三塁のピンチ。頓宮が放ったゴロを捕球し、三走の中川圭を目でけん制。素早く1―4―3と併殺に取った。ホームに突っ込まなかった中川圭のミスではあるが、それを引き寄せた目線のしぐさは巧みだった。
結果、後続も抑えて無失点。追加点を奪われていれば、大勢が決していたタイミング。あの時点で、まだファイターズに逆転のチャンスを残した。キャンプから、何度も繰り返してきたであろう動きを本番で確実に披露した。自身の投球も助ける大きなプレーだった。