山本拓 開き直ってピンチ脱出で8試合連続無失点 安定感の理由は「準備が読みやすい」
■パ・リーグ22回戦 オリックス3ー1日本ハム(9月3日、エスコンフィールド北海道)
八回に3番手で登板 無死一、三塁を無失点
日本ハムの山本拓実投手(23)が3日、エスコンフィールド北海道で行われたオリックス戦の八回に救援し、1回無失点で切り抜けた。無失点は8試合連続で「落ち着いて何とか投げられた。ゼロで帰ることしか考えていなかったので、良かった」と小さく息を吐いた。
登板直後、中川圭と森に連打を許し、無死一、三塁のピンチを背負った。打席には六回に本塁打を放っていたパ・リーグ首位打者の頓宮。絶体絶命の窮地を迎え「気負いすぎず、やれることをやろう。四球を出しているわけではない。打たれる分には仕方ない」と開き直った。
首位打者・頓宮を併殺斬り 好守備が光った
徹底して外低めに集めた。追い込んでから、コースいっぱいのカットボールを打たせた。自らジャンプしてゴロを捕球すると、三塁走者をけん制しつつ、反転して二塁へ。走者をくぎ付けにしたまま、併殺を完成させた。続く宗は自己最速に迫る153キロの直球で押し込み、最後はシンカーで三ゴロに抑えた。
シーズン登板数キャリアハイを更新中
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6月に中日からトレードで加入。今季の登板試合数は、中日で14試合、日本ハムで18試合の計32試合。2022年の30試合を上回り、キャリアハイを更新している。充実した日々を過ごしており「一試合一試合、最後まで投げきることが最低限の目標。元気に最後まで投げたい」と目を輝かせた。
安定感抜群の防御率1・56 パ・リーグの特徴に順応
現在、防御率は1・56。リーグの仕組みの違いがプラスに働いている。セは投手が打席に入るため、展開次第で先発が早めに交代する。DH制のあるパは、投手が打席に立たないため、球数やイニングなど、交代の目安が分かりやすいという。「準備が読みやすい。先発の調子や、相手打者との相性だけを考えて(肩を)つくることができる。代打が出る、出ないとか、細かいことまで気にしなくていい」と利点を挙げた。
パが主戦場になってから、ブルペンで過剰に気を張らないよう心がけている。「試合中でもスイッチオフの時間をつくる。やってみて、意外とできるんだと分かった」。新しい環境に順応し、創意工夫しながら、猛アピールしている山本拓。日を追うごとに、輝きが増している。