《ルヴァン杯横浜M戦前日》ここまで勝ち上がったからにはファイナルまで駒を進めたい
■9月5日、札幌ドームサブグラウンド
やはり勝利というのはベストな薬だ
―G大阪戦で勝利し、よく眠れるようになりましたか?
G大阪戦の前よりはベターに寝られたと思うが、連戦なのでなかなかひと安心できるほどの時間は無い。ただG大阪戦で勝利したことによって、自分たちの置かれた状況が以前よりは良くなったと思うし、雰囲気も含めて前向きな気持ちで次の試合にも向かっていけるような状況にはなれたと思う。やはり勝利というのはベストな薬だという風に思う。
―横浜Mとは約3カ月半ぶりの対戦
横浜Mとの戦いは緊迫した好ゲームになることが非常に多いと思う。
横浜Mは日本の中で最も洗練されたパスサッカーをするチームだと思っている。ここ2試合リーグ戦で勝てていない状況で我々と同じようにチーム状況はなかなか厳しいのかなと印象を持っているが、とは言っても横浜Mは横浜Mだ。ルヴァン杯のベスト8で当たる相手としては非常に手強い相手だと思っている。
ただ、ここまで勝ち上がったからにはやはりファイナルまで駒を進めたいという強い気持ちは持っている。2019年に我々はルヴァン杯のファイナルを戦ったが、あそこで自分たちの手にできなかったものを取りに行きたいという強い気持ちを持っている。
(木戸には)恐れることなく普段通りのプレーをしてほしい
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―21歳以下の選手を1人以上先発起用しなければいけない中で、今日は木戸選手が主力組でプレー。彼に期待することは
少なくとも3点取ってほしいですね(笑)。大学リーグで戦っている選手が、ルヴァン杯でJ1の横浜Mと戦うのは決して簡単なことではないと思う。ただ何も緊張することなく恐れることもなく普段通りのプレーをしてほしいと思っているし、試合に出られる喜びと幸せを感じながら楽しんでプレーしてほしいなと思っている。私は監督として彼を100%の信頼を持って送り出したいと思っているし、失敗を恐れずにプレーしてほしい。
アウェーゴールがどうだこうだに関してはコメントはしたくない(笑)
―今大会からアウェーゴールルールが廃止となったが、その影響は
アウェーゴールに関しては苦い思い出がある。浦和時代(の16年)に、リーグで(勝ち点)74ポイントを取った。今では浦和が優勝したという形になるが、年間タイトルを争って上位3チームが戦うレギュレーションの中(※当時のJ1は2ステージ制で、最大5チームによって行われるチャンピオンシップで年間王者を決めていた)で、年間3位の鹿島が準決勝を勝ち上がり、最後ファイナルをホーム&アウェーで戦った。浦和はアウェーでは1-0で勝利しホームでは1-2で敗れた。1勝1敗でトータルスコアは2-2だが、アウェーゴール数によって、その年のリーグ戦で(浦和より)15ポイント少ない鹿島が年間チャンピオンになった過去がある。
私自身はリーグでの戦いと、最後の(チャンピオンシップの)戦いは別物かなと当時は思っていたし、浦和がリーグで最もポイントを取ったことの意味合いは変わらないと思っているが、世の中的には鹿島が優勝したと私にとっては非常に思い出したくない思い出だ。そういう意味ではアウェーゴール数、アウェーゴールがどうだこうだという話に関しては私はもうコメントはしたくない(笑)。
私は監督として運が無かった。まあそれも人生だ
J2で最後に3位から6位までのチームが戦う戦い(J1昇格プレーオフ)では、順位が上の方のチームが引き分けのときには勝ち上がるルール。あと入れ替え戦もそうだが、(22年のJ1参入プレーオフで)京都と熊本が戦い、引き分けた場合は(J1の)京都が残るルール。その年その年のレギュレーションで戦うわけだが私は監督として運が無かったなと。
19年も(ルヴァン杯決勝の)川崎とのPK戦を決めていれば勝ちまで行っていたが止められて、その後も続いたPK戦で我々は敗れた。浦和時代のACLの準々決勝もPKで敗れたことがあった。私はPKとかになるとなかなか運が無い人間かもしれない。オーストリアでもグラーツで監督した時、ファイナルで2回ほどPKでやられている。
それも監督の宿命と思うが、そこは何とかいい方向に持っていきたいなという風に思う。まあそれも人生だ。