ファイターズ
《ハム番24時》9月6日
プロの技を間近で見ると、ただただ驚かされる。6日に予定されていた楽天戦は雨天のため中止となり、チーム練習は前日同様に屋内で行われた。活気づく室内練習場の中で、記者はノッカーを務めていた森本コーチの姿に目を奪われた。
特に感動したのは、捕手陣へ向けて放った打球だ。通常のノックを終えたマルティネスが盗塁阻止を想定した二塁送球の練習体勢に入ると、森本コーチはすぐさま意図を理解し、座って構えるマルティネス目掛けてバットを振り抜いた。
何度繰り返しても、ボールは面白いように胸の前に構えたミットに吸い込まれる。2バウンドでのストライク〝投球〟を受けるマルティネスの左腕は、ほとんど動かない。あっけにとられた記者に対して、同コーチは「俺なんてまだまだ。内野ノックを見てても飯山さんはもっと上手いよ」と、こともなげに言う。
技術の追求に終わりはない。「左右で打てる人は、もっとすごいよね。俺も練習してるけど、今年は追い付かなくて…」。近い未来、スイッチノッカーが鉄壁の守備網を築き上げてくれそうだ。