《ルヴァン杯横浜M戦後》4点目を取りに行くんだという姿勢が選手になかったのが、私自身は残念なことだった
■ルヴァン杯準々決勝第1戦 札幌3-2横浜M(6日、札幌ドーム)
―試合を振り返って
今日のゲームは互いが攻め合う非常に拮抗したゲームだった。前半は攻撃ではいい部分が出せていたと思うが、守備の部分では課題が残るものだった。1失点目に関しては安い失点だったし、2失点目に関しても自分たちがボールを失ったところから相手のカウンターを受けて失点。1点目、2点目とも安い失点だったと思うし、守備の部分では課題があったかなと思っている。
後半に入っても悪くは無かったが、先ほど言ったように自分たちのビルドアップの場面から前向きでボールを奪われて、カウンターを受けて2失点目をした。あれは非常に安い失点だった。ただ選手たちはそういうリードされる展開の中で、落ち着いてプレーし続けてくれたと思う。
1点目、2点目とも安い失点だった
その中で相手に退場者が出て1人数的優位の状況で戦うことができた。もちろん相手は横浜Mであるから1人少ない状況でも我々にとって簡単な状況ではなかったが、幅と深さをしっかりと持つ攻撃の形の中で選手たちは自分たちの狙いとする攻撃を繰り返してくれたと思う。そういう中で同点ゴール、そして逆転の3点目が入り3-2で試合をひっくり返すことができた。同点、そして逆転に持っていくんだという選手たちの気持ち、そしてプレーに関しては私自身は非常にいい出来だったなと評価してあげたい。
ルヴァン杯は2試合で勝敗が決する戦いだ
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アディショナルタイム4分に3-2でリードし、残り時間が4分くらいあったんじゃないかなと思うが、私自身がちょっとショックというか、残念かなと思ったのはなぜ4点目を奪いに行かなかったというところだ。選手たちはこの3-2というスコアを保持しながら勝利したい思いがあったのだと思うが、試合前に選手たちには「ルヴァン杯は2試合で勝敗が決する。そういう戦いだ」と話をしていた。それぞれのスコアがそれぞれの意味を持っていて、我々は数的優位の形の中で3-2とリードができたが、4-2で勝利することができていたら2試合目に向けて大きなアドバンテージになっていたと思う。
実際に攻撃的な姿勢を貫く、あるいはボールを前から奪いに行くような姿勢を維持しながら、残りのアディショナルタイムを戦ったからといって(得点を)取れたかどうかはタラレバの話だ。ただ4点目を取りに行くんだという姿勢が選手に無かったのが、私自身は残念なことだった。
下がらずに前に行ってほしかった
先ほども言ったように2試合目のスコア、2試合での結果が勝敗を決める試合の中で、今日は相手に退場者が出て(相手が)1人少ない状態の中で我々は4点目を取りに行けるチャンスがあったはずだ。2試合目に向けて自分たちが大きなアドバンテージを得ることができたのではないかと私は考える。
相手が1人少ない状況であれば、我々は続けて相手にプレッシャーをかけ続けなければいけなかったと思うし、そしてボールを奪って相手のゴールに向かって行かなければいけなかったと思う。ただ選手たちの判断でおそらくプレスには行かずに固く自陣に守る選択肢を取ったと思うが、私は1人多い状況であればあそこで相手に圧力をかけ続けなければいけなかったと思う。選手がどういうことを感じながらプレーしていたかはわからないが、私自身は下がらずに前に行ってほしかった。横浜Mというチームは1人少なかったとしても相手コートに入れば得点できるだけの能力のあるチーム。そういう意味では我々はあの場面では下がってはいけなかった。
横浜M相手に3-2では決して足りるものではない
今日の試合で4-2で勝利していれば我々は大きく勝利(ベスト4進出)に向けて前進できただろう。横浜M相手に3-2では決して足りるものではないと思うし、自分たちが戦う姿勢は次に向けても私は示してほしかったと思う。選手たちのそのあたりのマインドはJ2時代からの守備的な戦いの気持ち。このスコアを何とか守って次につなげたい思いはもちろんわかるが、ただ私はプロフェッショナルの監督としてやはり選手たちに攻撃的な姿勢を求めたいと思うし、選手たちは監督である私のマインドをしっかりと頭に入れて、それを実行すべきだと思う。何も恐れる必要はないと思う。相手が1人少ない状況であるならば自分たちがあそこから失点して同点に追い付かれるんじゃないかと弱気な姿勢は必要無いと思うし、逆に自分たちが数的優位な状況を生かして4点目を取りに行くんだというマインドが必要だなと思う。そういう意味で残り4分のところでの選手の判断に関しては、私は若干がっかりした部分、残念だなという思いがある。
それ以外の部分では選手たちはよく戦っていると思うが、やはりそういったところのマインドは私の下で戦うのであれば、より攻撃的、より1点多く取る、そういった強気な姿勢を貫いてほしいかな思っている。
引き分けを狙うのであれば、戦わない方がいい
―2戦目は引き分け以上で準決勝進出が決まるが、どのように戦うか
引き分けを狙うような戦い方をするのであれば、もう我々は戦わない方がいい。
我々の戦いを貫くことが自分たちの得たい結果を得るために必要なことだと思う。札幌は自陣に引いて守るような戦い方をするチームではないし、そうしてしまえば横浜Mは洗練された攻撃を持っているチームなので我々は逆に相手に対して手を焼くだろうと思う。
以前のJ2時代、札幌は守備的な戦い方をしていたチームだったと思うが、それではなかなかこのJ1を生き抜けない。それはこの歴史が示してきたと思う。
札幌は前からプレッシャーをかけボールを奪いゴールに向かっていく、そういう姿勢を常に持ちながら戦うことで強さを発揮するチームだ。自分たちが得たいものを得るためには、そういう戦いをアウェーでもしっかりしなければいけないと思う。
今日の結果をもって感じることは、我々は横浜で勝利することによって勝ち上がれると私は見ている。