FW小柏の2ゴールで札幌が劇的逆転勝利 4年ぶりルヴァン杯ベスト4入りへ一歩前進
■ルヴァン杯準々決勝第1戦 札幌3-2横浜M(9月6日、札幌ドーム)
北海道コンサドーレ札幌はFW小柏剛(25)が2得点を挙げる活躍を見せて3-2で横浜F・マリノスに逆転勝利。準優勝した2019年以来4年ぶりとなる準決勝進出に向けて大きく前進した。第2戦は今月10日に敵地・ニッパツ三ツ沢球技場で行われる。
後半19分から登場
ホーム&アウェー2試合での試合結果によってベスト4へと勝ち上がるルヴァン杯準々決勝。合計180分間の戦いの流れを左右する大事な初戦で札幌のスピードスターが大仕事をやってのけた。ベンチスタートとなったこの日は、DF馬場晴也(21)に代わって後半19分からピッチに登場。「負けていたので、シンプルに得点が必要だったと思いますし、相手も1人少なくなって、次はアウェーになるのでここで絶対に勝っておきたかったです」。同13分に横浜Mに退場者が出て数的優位となっていた中、自慢のスピードで相手守備陣に圧力を与え続けた小柏。その奮闘が最初に実ったのが同29分だった。
同点弾「裏のスペースが空いていると思ったので」
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相手陣内でこぼれ球を拾ったMF駒井善成(31)が前線へ絶妙な浮き球のパスを送ると、ボールは横浜Mの守備網をかいくぐりゴールへ向かって走り出していた小柏の元へ。1対1の場面で相手GKの動きをしっかり見極めワンタッチでゴールマウスへ流し込んだ。「駒井選手がボールを持った時に裏のスペースが空いていると思ったので、そこに走り出して。(ボールが)自分に転がってきたのでそれを冷静に決めることができました」。
決勝弾「落ち着いて決めることができた」
アウェーで行われる第2戦に向け是が非でもホームで白星をつかみたい札幌。刻一刻と試合終了へ時計の針が進んでいく中、同アディショナルタイム5分の土壇場でまたしても決勝ゴールを挙げた。後半途中から左サイドに回っていたMFルーカス・フェルナンデス(29)のクロスをペナルティーエリア内で受けるとワントラップで相手DFのマークを剝がし、再び生み出したGKと1対1の場面できっちりゴールネットを揺らした。「ルーカスからボールが来たらいいなと思っていたら、ゴニ(FW金健熙)がスルーしたかはわからないけどちょうど来たので、とっさの判断でゴールに向かおうと思って。最後も落ち着いて決めることができて良かったです」。
3月12日横浜M戦以来のドーム弾
小柏が札幌ドームでゴールを挙げたのは今年の3月12日以来約半年ぶり。くしくもその時の相手も横浜Mだった。久しぶりの札幌ドームでのゴールに「本当に気持ち良かったです。ルヴァン杯初ゴールですし1試合で2得点取れたのも初めてなので、いろいろ初めてが多かったです。こういう、チームの勝利に貢献する得点を積み重ねていきたいです」と胸を張る。
「まだ準々決勝が90分残っている」
劇的ゴールでつかみ取った価値ある白星。だが、この戦いにおいてはトータル180分間で行われる試合の前半戦が終わっただけで、まだ何も手にしていない。試合後の監督会見でミハイロ・ペトロヴィッチ監督(65)は小柏のゴールで勝ち越した後、チームがさらなる追加点を狙わず自陣で引いて守る判断をしたことについて「2試合での結果が勝敗を決める試合の中で、今日は相手に退場者が出て1人少ない状態の中で我々は4点目を取りに行けるチャンスがあったはずだ」と言及。会見後には選手を集めて約40分間にも及ぶ緊急ミーティングを実施するなど、ベスト4進出に向けたチームの意思統一に腐心した。指揮官の言葉を受けて、小柏も「まだ準々決勝が90分残っているので、気を引き締めないといけない」と、気持ちを切り替え照準を次なる戦いに合わせている。
第2戦の舞台は、過去出場した2試合でいずれもゴールを決めているニッパツ。相性のいいスタジアムで小柏がチームを勝利へ導くゴールを決め、準決勝へのチケットを手に札幌へと帰還する。
■第2戦での札幌の準決勝進出の条件
・勝利または引き分け…準決勝進出
・1点差での敗戦…勝利数および2試合合計の得失点差で並ぶため、第2戦終了後に30分間(前後半各15分)の延長戦を行い勝敗を決める。延長戦で決着がつかない場合はPK戦を行い勝敗を決める。
・2点差以上での敗戦…準々決勝敗退