オール北海道で今度こそ悲願のタイトル獲得を《河合CRC竜の眼》
勝利への意欲が見えたG大阪戦 リーグ10戦ぶり勝利
2日のG大阪戦(4〇0)でリーグ戦10試合ぶりの勝利を挙げた札幌。9試合勝ちがなかった中で、ホームで勝ちたいという意欲がすごく見えた試合だった。前節8月26日の川崎戦(2△2)でもそうだったが、攻撃面での距離感が良かったし、ボールを奪われた瞬間の切り替えが早くなっているという印象を受けた。
好調を維持するスパチョーク 明確になったやるべきプレー
G大阪戦で先制点を含む2得点を挙げたのがMFスパチョーク。川崎戦でも1ゴール1アシストをマークしたが、本当に今は好調だなと思わせるようなプレーをしてくれている。
もともと技術が高く、仲間を生かすプレーができていたが、逆に言えば、周りに気を使っているようなプレーが多かったなという印象があった。だが、最近は良い意味で吹っ切れたのか、自分でシュートを撃つ場面も多くなっており、自身のやるべきプレーが明確になってきていると感じている。
笛が鳴るまでプレーを続ける小柏 チームに不可欠な存在
そしてスパチョークの2得点にいずれも絡んだのがFW小柏。復帰してすぐの試合ではあったが、やはりチームになくてはならない存在だという証明ができたのではないだろうか。特に2点目の場面は、MF駒井がファウルで倒され、G大阪の選手が足を止めた中、小柏はセルフジャッジせずにプレーをやり切ってゴールまでつなげた。笛が鳴るまでしっかりプレーを続けるということの大事さを証明してくれた。あのシーンは本当に素晴らしかった。
相手との駆け引きで際立つサッカーセンス あらためて宮澤を高評価
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守備面では出場停止のDF岡村に代わって3バックの中央でプレーしたMF宮澤が光っていた。代わりに入って、どんなプレーを見せてくれるのかなと思っていたが、やはりサッカーセンスが抜群だというところを見せてくれた。チュニジア代表でもあるFWイッサム・ジェバリとのマッチアップとなったが、中盤の選手がパスをする瞬間に、そのタイミングを図ってジェバリに接触せずに前でボールをインターセプトすることができていた。そういった相手との駆け引きのところで、あらためてセンスの高さを感じることができた。
チームにとっては実に22試合ぶりとなる完封勝利。最後に危ないシーンをつくられているのは課題ではあるものの、相手を0に抑えられたのはDF陣にとっても自信になるだろう。
ルヴァン杯準々決勝第1戦に勝利 期待膨らむ木戸の働き
6日には横浜Mとのルヴァン杯準々決勝第1戦が行われ、勝利が求められるホームゲームで、3-2で先勝することができた。
この試合に先発出場したMF木戸。立ち上がりはうまく試合に入れておらず、ボールに絡めていないなという印象を受けていたが、前半20分過ぎぐらいから、しっかり状況を考えながらプレーすることができていたし、同27分に生まれた岡村の同点ゴールの起点にもなっていた。前半終了間際にケガで交代したのはかわいそうだったが、もう少し見ていたかったと思わせるような良いプレーを披露してくれていた。
高い決定力を見せつけた点取り屋
そして何といっても2得点を挙げて勝利に貢献した小柏だ。やはり裏に抜けるスピードとタイミングには抜群のものがある。以前からシュートの部分での課題はあったものの、この試合ではGKとの1対1の場面でも落ち着いてゴールを決めることができていた。先ほども触れたが、やはりいるのといないのとでは大きな差があると感じさせてくれるプレーヤーだ。
準決勝を懸けた第2戦は9月10日 キーマンは駒井
準決勝進出を懸けて敵地へと乗り込む第2戦。展開的には第1戦と同じような点の取り合い、ファン・サポーターが退屈しないような試合になると予想している。やはり大事になるのは先制点だ。先に1点取れたら、ゲーム展開としては非常に優位に進められると思うので、試合の入り方が重要になるだろう。
キーマンを1人挙げるとすれば駒井だろう。第1戦ではディフェンス面でスイッチを入れる役として非常に効いていたし、小柏の1点目をアシストした縦パスの質も良かった。彼の機動力というのは、今のチームに本当に欠かせないものだと思っている。
2019年にはあと一歩 目指すはルヴァン杯制覇
天皇杯で敗れ、リーグ戦での優勝も現実的とはいえない中で、唯一ルヴァン杯ではタイトルが手に入る位置にいる。2019年のファイナルで負けた悔しさ、またあの場所に立ってタイトルをつかみ取るという気持ちは、チームはもちろん、クラブスタッフ全員が同じように共有しているので、オール北海道で戦って、今度こそ悲願のタイトル獲得を成し遂げたい。
(コンサドーレ・リレーションズチーム・キャプテン)