ファイターズ
《ハム番24時》9月8日
心から優しい人だ。8日の練習前。山本拓は靴底が真っ白なスパイクを手に持ち、グラウンド入りしていた。シーズンも終盤。この時期に商売道具を新調するのは珍しいと思い、その理由を尋ねてみた。
返ってきた答えは意外なものだった。「新しい練習用スパイクを発注しました。これまでは金具のものを使っていたけど、外野でキャッチボールをすると芝がはげちゃって…。僕は結構、球数を投げるタイプなので、それが気まずくて」と申し訳なさそうな表情を浮かべた。
新品のスパイクはブロックソールがウレタン樹脂で、従来の金属に比べると、芝への衝撃は小さそうだ。あらためて練習終わりに話を聞くと「足も滑らなかったし、芝もあまり削れませんでした! 少しでも天然芝をいたわります」と屈託のない笑みを浮かべた。〝ヤマーン〟の心遣いは、人も自然も癒やしてくれる。