札幌ルヴァン杯準々決勝で散る・・・ 敵地で横浜Mに逆転許し、4年ぶりベスト4ならず
■ルヴァン杯準々決勝第2戦 横浜M3―0札幌(10日、神奈川県・ニッパツ三ツ沢球技場)
対戦1勝1敗も得失点差で敗れる
北海道コンサドーレ札幌は横浜F・マリノスと対戦し0-3で敗戦。勝敗は1勝1敗で並んだものの2戦合計の得失点差で横浜Mに及ばず、残念ながら準決勝進出を逃した。決勝で涙をのんだ2019年以来となるベスト4入りを目指した札幌。FW小柏剛(25)の劇的ゴールで3-2と先勝した第1戦の勢いを持って敵地へ乗り込んだが、現在リーグ戦2位で得点力はリーグナンバー1の横浜Mの攻撃力に屈し3失点。攻撃陣もチャンスの場面を決めきることができず、得失点差で逆転され悔しい準々決勝敗退となった。
宮澤主将「ビルドアップで前半は問題を抱えていた」
前半のシュート数は横浜Mの3本に対し札幌7本と倍以上の本数を放ったが、この試合でフル出場を果たしたMF宮澤裕樹主将(34)が「ビルドアップの部分、ボールを動かして崩していく部分で特に前半は問題を抱えていたと思います。後ろのところで勇気を持って前に付けられず、自分たちの動かし方ができなくて流れをつかめなかった」と振り返るとおり、連動した厚みのある攻撃の形をなかなかつくることができなかった。
守備面では第1戦で温存していた元札幌のFWアンデルソン・ロペス(29)を満を持して投入した横浜MにDFラインの背後に圧力をかけ続けられ、前半32分にMF水沼宏太(33)に先制ゴールを許してしまう。それ以外にも2度ゴールネットを揺らされたが、いずれもVARが介入してゴールが取り消され0-1で前半を折り返した。
課題としている短時間での連続失点が露呈
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勝敗、得失点差がいずれも並んだ状態で迎えた後半。DF中村桐耶(23)、FW大森真吾(22)を入れて試合の流れを変え、次の1点を奪いに行きたい札幌だったが、後半3分にゴール前の守備を崩されてAロペスにゴールを許すと、その2分後にはMF南泰煕(32)にGK高木駿(34)の頭上を越える見事なゴールを決められてしまう。今季何度も起きている短時間での連続失点。その悪癖がこの日も露呈した。「決して2点目から3点目の間で、ものすごく下を向いた選手がいたわけではないが、相手のもう1点取りに行くぞというところに負けてしまった。連続失点を何とか止めないといけない中で起きているので、チームとしても個人としても突き詰めないといけないですし、反省しなければいけないです」。
大森のPKは相手GKにコースを読まれ
この時点で2戦合計スコアは3-5。1点返せれば一気に準々決勝の行方はわからなくなる状況の中、札幌に絶好のチャンスが訪れたのが同37分。ペナルティーエリア内でDF田中駿汰(26)が相手DFに倒されPKと判定された。ここでキッカーに自ら志願したのがルーキーの大森。決めればプロ初ゴールの場面だったが、ゴール左下を狙って右足から放たれたシュートコースを読んだGK一森純(32)にセーブされてしまう。大チャンスを逃した札幌は、その後スコアを動かすことができないまま試合終了、そして準々決勝敗退を告げるホイッスルを聞くこととなってしまった。
「何とか自分たちが流れを引き戻すチャンスはあったと思うんですけど、そこで踏ん張りきれなかったり決めきれず。1点取れれば流れは変わると思って最後まで攻めたんですが」と悔しい90分間を振り返る宮澤。またもルヴァン杯のタイトルに手が届かず「これだけサポーターも来てくれて、もう一度自分たちが決勝に立つことを期待してくれている人たちの思いに応えられなかった残念さと、自分たちはまだまだ力が足りなかったということを感じました」と悔しさを吐露する。
「この経験を次に生かして成長していきたい」
天皇杯に続きルヴァン杯も敗退したことで、今季の札幌の公式戦は残り8試合のリーグ戦だけとなった。シーズン終盤戦の戦いに向け「より勝利を重ねて、上の順位でフィニッシュすることが目標です。ルヴァン杯は終わってしまいましたけど、チームとしては続いていくので、この経験を次に生かしてリーグでしっかり自分たちのサッカーを出しながら成長していきたい」と前を向く。
新戦力の台頭を感じさせた。来年こそ頂点へ
19年にあと一歩のところまで迫った優勝カップは今年も手にすることができなかった。だが今大会を振り返るとMFスパチョーク(25)が来日初ゴールを挙げた後、ブレイクのきっかけをつくり、DF西野奨太(19)や来季トップチーム昇格が決まっているFW出間思努(18)も存在感を発揮。そして負傷の影響もあってこの日は前半8分でピッチを退いたMF木戸柊摩(20)も準々決勝第1戦で強いインパクトを与えるプレーを披露するなど、新戦力の台頭を感じさせる場面が多く見られた。経験を積んだ若武者たちがチームにさらなる力を与え、来年こそ頂点へと駆け上ってみせる。