元F戦士 中日・大野奨太が現役引退 日本ハムで3度のリーグ優勝&16年日本一を達成
近日中に正式発表
元日本ハムで中日の大野奨太捕手(36)が、今季限りで現役を引退することが11日、分かった。すでに球団側には意思を伝えており、近日中にも正式発表される見込みだ。
日本ハムでは1年目から主力として活躍
熟慮の末、潔く現役への未練を断ち切った。かつて北の大地を熱狂させた扇の要が、15年間の現役生活に終止符を打つ。大野は2008年のドラフト会議で日本ハムから1位指名を受け、入団1年目から鶴岡慎也氏との併用で正捕手の座を争った。在籍した9年間は主力として活躍し、3度のリーグ優勝と16年の日本一に大きく貢献した。
大谷翔平とのコンビで15年に最優秀バッテリー賞
強気なリードと強肩を武器に、厳しいプロの世界を生き抜いた。現エンゼルスの大谷翔平とも数多くコンビを組み、15年には最優秀バッテリー賞を受賞。日本ハムが10年ぶりの日本一に輝いた16年は鉄壁の守備力が評価され、ゴールデン・グラブ賞を獲得した。17年のWBCでは侍ジャパンのメンバーに選出され、名実ともに一流捕手の仲間入りを果たした。
抜群のリーダーシップで選手会長、主将を兼務
真摯に野球に向き合う姿は見る者の胸を打った。選手、首脳陣、フロントからの信頼も厚く、その求心力でチームをけん引した。日本ハムでは14年から選手会長を4年務め、そのうち2年間は主将も兼務。抜群のリーダーシップを発揮し、グラウンド内外でチームを支えた。
18年からは中日移籍も右肘故障の影響で出番は減少
17年オフに愛着ある北海道を離れ、FAで中日へ移籍。生まれ故郷の岐阜にほど近い、地元球団でのプレーを選択した。移籍後は右肘故障の影響もあり出番は減少したが、若手の手本となり日々の練習にまい進。球界最年長捕手となった今季も、時にはサポート役に回り、培った豊かな経験をチームに還元してきた。
15年間貫き続けた信念
「もう限界なのかな」ー。自らを客観視することが増えた最近は、近しい関係者に本音を漏らし、後進に道を譲る決意を固めていたという。葛藤を乗り越えた決断の裏には、15年間貫き続けた信念がある。「俺は捕手だから、投手を勝たせたい。どれだけ時間が掛かってもいい。投手が輝くためなら全てをささげる覚悟がある」。実直な男は、引き際の美学を胸に、ユニホームに別れを告げる。