冬季スポーツ
2023/09/12 20:00

高木美帆中心のスピードスケート「team GOLD」が氷上練習公開 海外3選手も参加「どんどん盗めるものを盗んでいく」

会見に出席したteam GOLDのメンバー(左からヨハンコーチ、サネ、佐藤、高木)(撮影・十島功)

昨季の二人三脚体制から変更

 新体制に手応え―。スピードスケート女子の高木美帆(29、TOKIOインカラミ)を中心とする「team GOLD」が12日、帯広・明治北海道十勝オーバルで氷上練習を公開した。昨年はヨハン・デビットコーチ(44)と二人三脚で進めてきたが、1人での練習に苦しんだ。今年から佐藤綾乃(26、ANA)や村上右磨(30、高堂建設)が合流。オランダのサネ・イントホフ(25)ら外国人選手も加入し、お互いに刺激し合いながら10月からの新シーズンに向かっていく。

「姿勢や意気込み、エネルギーもすごい強い選手の集まり」

 充実した表情がチームの順調さを物語っていた。「みんな誰かを頼ってきている感じではなくて、自分の思いを持ってここに集まってきている」と、メンバーが持つ意識の高さを改めて実感。本格始動から4カ月ほど経過し「やっぱり1人のときとは大きく違うなっていうのは感じました。スケートに取り組む上での姿勢や意気込み、エネルギーみたいなところもすごい強い選手たちの集まり。気持ちの面でも得られるものは大きい」というトップスケーターが集った。

オランダのサネ、中国からメイとニン

 オランダのサネ、中国のメイ・ハン(25)、ニン・チョンイェン(24)の3選手もチームに加わった。さまざまなタイプの選手を間近で見られることは大きい。「例えば、ニン選手とかは中距離の選手で今まで見たことのないタイプのスケーティングと感じていて、自分が去年抱えていた課題とかなかなか改善できていないところが視覚的に『ニンはできているな。違いってこういうところか』っていうのを直感的に感じている」。

サネ「今まで知らなかったことをたくさん学べる」

 人数が少ないチームだからこそ、積極的にコミュニケーションを取って切磋琢磨している。「今まで触れ合ったことのない選手だから、じゃんじゃん交流していく。せっかくいるんだからどんどん盗めるものを盗んでいこう、みたいなメンタルにもなっている」と高木が話すと、サネも「氷上でもレースに向けてどういう準備をしているのか、今まで知らなかったことをたくさん学べているので、とても良い環境でやれている」と感謝を口にした。

11月10~12日、帯広でW杯初戦

 心身共に順調に来ており、ヨハンコーチも高木の状態に「ワールドレコードは持っているけど、もっと速く滑れるんじゃないか。コンディションもいいし、チームを作るにあたって責任感がすごい生まれていて、モチベーションも高い」と太鼓判を押す。今季のW杯初戦(11月10~12日)は5年ぶりに帯広で開催される。高木は「すごい久しぶり。ただ楽しみだなっていうだけではなくて、自分の滑りをしたい」と意気込みを口にした。地元で華々しいスタートを切りさらなる上積みを狙っていく。


佐藤綾乃「彼女らのポジティブさに助けられている」

 今年からチームに合流した佐藤綾乃(26、ANA)は「一番の目標は2月の世界距離別選手権大会なので、ピーキングの合わせ方も含めてヨハンと話しながら2月にベストパフォーマンスができるように調整したい」と照準を定めた。外国人選手と練習を重ねる中で、彼女らのポジティブさに助けられていると言う。「日本人の感覚として持っていないものを彼女たちは持っている。私はネガティブになりがちなところもあるので、自分をもっともっと成長させてくれる存在でいてくれるのがすごくありがたい」と、さらなる飛躍へ強靱な精神力を身に付ける。
 

練習に励む高木美帆(中央)と佐藤綾乃(右)

 

関連記事一覧を見る

あわせて読みたい