夏の甲子園16強の北海 初戦は神村学園とのリベンジマッチ かごしま国体組み合わせ決定
10月8日、開幕
10月8日に開幕するかごしま国体で特別競技として開催される高校野球(硬式)の組み合わせ抽選会が9月12日に行われ、7年ぶりに出場する北海は夏の甲子園3回戦で敗れた神村学園(鹿児島)と対戦することが決まった。
国体2度目の指揮を執る平川敦監督(52)は「同じところとやることが多いですね」。17年夏、21年春夏と甲子園出場3大会連続で神戸国際大付と対戦して3連敗した記憶を思い出し苦笑いした。相手の地元開催で完全アウェームードが予想されるが「チャンスはある」とリベンジに燃える。
甲子園メンバーから1年生を除いた18人編成
日本高野連の要請もあり、甲子園の登録20人から1年生2人を除いた18人のベストメンバーで布陣を組む。3年生は10月5日に舞台となる鹿児島へ移動。2年生が約半数を占めるため、新チームの秋季大会と同時進行になる。札幌支部では北海の国体日程を考慮し、当初予定から1日繰り上げた。順調に勝ち進めば札幌支部代表決定戦翌日の7日に移動できるが、雨天順延の場合などは先発隊の3年生だけで試合に臨むことも覚悟している。
熊谷「他の強豪チームともやりたかった」
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甲子園で二刀流の活躍をした熊谷陽輝投手(3年)は神村学園戦に2番手で登板し3失点。五回には特大の甲子園初アーチを描いた。4-10と完敗した相手との再戦が決まり「正直またかという思い。他の強豪チームともやりたかった」と素直な心境を明かした。続けて「甲子園で負けているのでリベンジしたい。勝つチャンスをもらった」とすぐに気持ちを切り替えた。さらに「平川監督も『勝つぞ』って話しているので、自分たちもそのつもりで一つでも多く試合をやりたい。平川監督を胴上げしたい」。1994年のわかしゃち国体(愛知)以来3度目の頂点を見据える。
国体出場は3年生にとって思いもよらないご褒美だった。国体出場校は去年から12枠から8枠に変更になった。熊谷は16強の北海には出場はないと思い「甲子園で負けて気持ちを一度整理した」と少し遅めの〝現役引退〟。実家でつかの間の夏休みを過ごした。ところが敗戦から5日後の昼休み、国体選出の一報が届いた。「正直、出られると思っていなかった。このチームでまだ野球が出来る」と心のねじを巻き直した。
新チーム相手に紅白戦で実戦感覚養う
ほぼ毎日、新チームの練習を邪魔しないように自主トレを繰り返してきた。週末には新チームの練習相手となって紅白試合で実戦感覚を養ってきた。結果はここまで3年生の3勝1敗。熊谷は「投球の調子は上がってきている。甲子園の時よりずっといい。春にケガして出遅れたので、いまピークが来ている」と胸を張った。
今北「悔しい思いをはらせる機会」
平川監督が「今、当たっている」と打撃好調なのが今北孝晟前主将(3年)だ。甲子園では2回戦の浜松開誠館戦から4番に昇格したが神村学園戦では3打数無安打に終わった。当初は甲子園敗退後に今後の野球人生のために脱臼癖がついた左肩の手術を予定していたが、国体出場が決まり延期した。今北は「悔しい思いをはらせる機会。やりきって終わりたい」。くすぶっていた思いを完全燃焼する。
長内「投げさせてもらえるなら投げてみたい」
長内陽大投手(3年)は3枚看板の1人として1、2回戦とマウンドに上がったが、神村学園戦の出番はなかった。「今はかなり調子がいい。投げさせてもらえるなら投げてみたい」。それぞれが抱く聖地での悔しい思い出を南国・鹿児島で爆発させる。