《岩本勉のガン流F論》投げるたびに成長の上原 伏見には「ありがとう」を言いたい
■パ・リーグ24回戦 オリックス2ー5日本ハム(9月13日、エスコンフィールド北海道)
攻守に好循環を生んだ上原の立ち上がり
好循環が勝利を生んだ。まずは先発した上原。一回、圧倒的な支配力で3者凡退に仕留めた。となると、攻守にリズムを生む。その裏、打線は3連打もあり、2点を先制した。連敗が続いていた前日までとは一転。要所で一本が出た。
大きかった郡司のファインプレー つながった打線
守備では三回。先頭の宗が放った大飛球を本職ではない左翼手でスタメンの郡司が見事にキャッチした。後方への難しいフライ。この1アウトは大きかった。その裏には再び打線が3連打とつながり、1点を加えた。
「ファイターズのゲーム」という雰囲気にさせたピッチングとは
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そして再び上原だ。登板のたびに成長した姿を見せる。勝利投手の権利が懸かった五回。複数安打を食らったが、犠飛による1点でしのいだ。1点こそ失ったものの、表情は平常心に見えた。当たり前のように後続を断った。
続く六回は3者連続三振。グラウンド整備もあり、新しい雰囲気が漂う中での圧巻投球。「きょうはファイターズのゲーム」という空気にさせた。七回の一発はご愛嬌(あいきょう)。連打よりも切り替えがつく。勝つべくして勝った試合だろう。
忘れてはいけないもう一人のヒーロー
試合後のお立ち台には上原と松本剛、マルティネスが上った。もう一人、伏見寅威の名を忘れてはいけない。マスクをかぶり続け〝スーパー交通整備〟を見せてくれた。3投手に対し、とにかく「低め低め」とリードを徹底していた。
3番手で九回に登板した田中正。先頭打者・頓宮への初球が高めに浮いた。すると、胸が地面に付きそうなぐらい、低く構えた。田中正は頓宮をアウトコース低めの直球で空振り三振。最後のアウトは若月からで、これまた外角低めの直球で見逃し三振を奪った。
感謝の言葉を伝えているはずの両投手コーチ
建山、加藤の両投手コーチは試合後、伏見に言葉をかけていることだろう。私ももし、投手コーチだったならば、彼の元へ足を運ぶ。「ありがとう」を言うために。