《荒木大輔のズバリ解投》存在感を示した山本晃 育成選手に必要なのは成功例の積み重ね
■イースタン・リーグ21回戦 DeNA7-0日本ハム(9月14日、鎌ケ谷スタジアム)
結果、内容ともに充実のマウンド 3回1安打無失点
敗戦の中、存在感を示したのが育成1年目左腕の山本晃。3番手で登板し、六~八回の3イニングを1安打無失点に抑えた。結果だけではなく、内容も伴った充実のマウンドだった。
左投手が持つ最大の武器を随所に披露
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150キロを超える剛速球を持っているわけではない。それでもストレートに力強さがあった。六回、先頭の益子から見逃し三振を奪った。見事にインコース低めへコントロールされていた。右打者への角度のあるボールは左投手にとって最大の武器だ。完璧な一球だった。
変化球もスライダーを中心にキレがあった。唯一、ヒットを許したシーンは七回1死からで、8番の蓮に高めの直球を左中間へはじき返された。1死二塁。これまでならば、ピンチで少々、バタつく場面も見られたのだが、この日は堂々としていた。しっかりと切り替えられていた。
捕手、コーチ陣とのすり合わせが不可欠
課題は継続性。このような投球を続けられるかが、ポイントだ。支配下を勝ち取り、さらに1軍で投げる機会を得るためには成功例を積み重ねていく必要がある。ただ、「きょうは良かった」で終わらせてはいけない。自分のボールに打者がどう反応していたのか。受けた捕手やコーチ陣はどう感じていたのか。自分の感覚とのすり合わせが不可欠だ。
リーグは終盤だが、その後はフェニックスリーグもある。1年を通して明確となった課題をつぶしていく機会は残されている。ここでいかに自分と向き合えるか。秋の過ごし方が春につながる。もしかしたら、1軍キャンプに声がかかるかもしれない。
先発し4回4失点の田中瑛 気持ちの切り替えが必要
先発した田中瑛は、ボールそれぞれで、良しあしがハッキリしていた。8月31日のロッテ戦で四回4失点。1軍登板で結果を残せず、気持ちの面で引きずっていたのかもしれない。1軍でやれるだけの力は持っている。厳しいプロの世界。チャンスはそう多くはない。しっかりと切り替えてもらいたい。