札幌ドームに響き渡ったブーイング・・・ 札幌、最下位湘南の執念に屈しリーグ戦連勝逃す
■J1第27節 札幌0-1湘南(16日、札幌ドーム)
試合終了を告げるホイッスルが鳴り響いた瞬間、札幌ドームの場内には大きなブーイングが響き渡った。ルヴァン杯での敗退が決定し、残された今季の公式戦はリーグ戦8試合となった北海道コンサドーレ札幌。一つでも上の順位を狙うことに目標を定めてリスタートを切ったはずが、最下位に沈む湘南ベルマーレのなりふり構わず勝利を奪いに行く執念に屈する格好となった。
前節G大阪戦の流れ続く立ち上がり
試合の入りはすばらしかった。開始直後から札幌は湘南に圧力をかけ続けてボールを支配し、ほとんどの時間を相手陣内でプレー。リーグ戦3試合連続ゴールを狙うMFスパチョーク(25)が前半5分、同12分と立て続けに決定機を迎えるなど、4得点を挙げて大勝した前節のG大阪戦からのいい流れが続いていると感じさせる絶好のスタートだった。
カウンターで先制点許す
だが開始20分を過ぎた頃から札幌の圧力が徐々に弱まり始め、湘南のカウンターの脅威にさらされる場面が増えてくる。同41分に自陣で後方へのパスをカットされたことをきっかけに先制ゴールを献上。ボールホルダーに対応したMF宮澤裕樹主将(34)が「あそこで取られたにもかかわらず、相手の方が飛び出してくる人数が多かった。取られた瞬間に切り替えの部分でやらなきゃいけないところがやれていなかった」と、カウンターへの守備対応を反省する。
宮澤「相手のゴール前を崩しきれなかった」
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1点ビハインドで後半を迎えた札幌は、同点、そして逆転を狙って湘南ゴールに襲いかかる。同14分に相手DFのミスパスを拾ったMF浅野雄也(26)がGKとの1対1の場面を迎えるが、ファインセーブによってゴールマウスを捉えられず。同21分にはハーフウエーライン付近からドリブルで駆け上がったFW小柏剛(25)がペナルティーエリア内へ進入。左足で放った決定的なシュートがゴールポストに阻まれてしまうなど、後半だけで11本のシュートを放ちながらなかなかゴールネットを揺らせない。宮澤も「ゲームをコントロールしていたと思いますが、最後のところ、相手のゴール前の人数が多かった部分を崩しきれなかった」と振り返る。
「最後の方はボールが止まっているシーンが多かった」
試合終了が近づくにつれ、6試合ぶりの勝利が欲しい湘南が時計の針を進めるために露骨な時間稼ぎを行う場面が増加。これまでのキャリアで何度もJ1残留を目指して戦ってきた経験を持つ宮澤は「何が何でもという、ああいう状況の戦い方は僕自身も知っています」と語る一方で、「プレーする時間が短かったですよね。最後の方はほとんどボールが止まっているシーンの方が多かったですから。もうちょっと審判がコントロールしてくれれば」と、逆転を狙うアディショナルタイムの大半でゲームが止まっていたことへのストレスを口にしていた。
次節は馬場が欠場、荒野は出場停止
次節はリーグ戦5位に付ける名古屋(豊田ス)とのアウェーでの戦い。DF馬場晴也(21)がU-22日本代表としてアジア大会に出場するため欠場となる上、湘南戦でイエローカードを受けたMF荒野拓馬(30)が今季2度目の累積警告により2試合の出場停止となる。この日ボランチとして先発出場した2人がまとめて不在となる緊急事態だが「(ボランチは)僕もできますし、深井もいますし、(駒井)善成もやれます。普段出ていない選手にはチャンスだろうし」と、新たな選手の台頭に期待を込めながら総力戦で次節へ臨む構えだ。
ホームに詰めかけたサポーターから受けた叱咤激励。この声を再び勝利の歓声へと変えるため、札幌が敵地での一戦で巻き返しを狙う。