ファイターズ
《ハム番24時》9月17日
長髪、ひげがトレードマークの大柄な男が不敵な笑みを浮かべ、何かをたくらんでいた。小さなマイクを持ち出すと、静かに一塁側カメラマン席へ向かった。集まった報道陣の後方へ忍び寄り、輪に加わる。18日の先発を務める伊藤の囲み取材が行われていた。
日本語をどこまで理解しているのか、不明だが、来日2年目右腕は、うんうんとうなずき、マイクを向けていた。すると、マジメな顔で質問に応じていた伊藤の目が一瞬、泳いだ。いるはずのない人物にはっと気づいた。すぐにはツッコまない。必死に笑いをこらえ、やり過ごした。
取材が一段落したとき、英語の質問が飛んだ。「一番好きなチームメートは誰ですか?」。空気を読んだ伊藤は「コディ」と即答。100点満点の言葉を受け取った背番号45は「ありがとうございました」と日本語で返し、大満足の様子でロッカーへ下がっていった。小さなドッキリを仕掛けられた伊藤は「単純すぎる」とニヤリ。試合前に上演されたほほ笑ましい寸劇。和ませてもらった。