【一問一答】引退会見を行った木村 「感謝しかない。本当に恵まれた野球人生」
日本ハムの木村文紀外野手(35)が18日、エスコンフィールド北海道で会見を行い、今季限りの現役引退を表明した。今季は左脇腹を痛めるなど故障に泣かされ、1軍での出場機会を得られていなかった。西武、日本ハムで17年間プレーしたベテランは、自らユニホームを脱ぐことを決めた。20日の西武戦(ベルーナドーム)が現役最後に試合になる。会見の一問一答は以下の通り。
―(冒頭あいさつ)
「今シーズンをもちまして、17年間のプロ野球人生にピリオドを打ちます。ここまでできると思いませんでしたけど、しっかりと自分の中で決断ができたので、報告させてもらいます」
―引退の決め手は
「今年はけがの多いシーズンでしたし、正直、自分の中でまだ現役にこだわってやりたい気持ちは少しはありましたけど、家族といろいろと話し合った結果、引退するということを決断しました」
―改めてプロ野球生活を振り返って
「正直、ピッチャーで西武ライオンズに入団して、野手に転向して、本当に17年間というプロ野球生活を送るとは想像もできていなかったですし、野手、ピッチャーと経験できたということは今後の自慢でもあります。満足できた野球人生だったなと今は思います」
―一番記憶に残っているシーンは
「挙げればたくさんあるんですけども、ピッチャーで初勝利を挙げた試合、野手に転向して初めてサヨナラホームランを打った試合、去年、静岡で決勝3ランを打った試合。三つの試合が僕の中では心に残る試合かなと思ってます」
―新庄監督と話したか
「はい、あいさつをさせてもらって、しっかりとお礼をしてきました。20日の試合も『出るぞ』という言葉をいただいたので、最後までユニホームを着ている以上、野球人として頑張りたいと思います」
―西武との試合ではどんな姿を見せたい?
「一生懸命、全力でプレーする姿を見せることができれば。それが一番良いかなと思っています」
―引退後の予定は
「特に何も決まっていないです」
―ファンに向けて
「17年間、つらいときもたくさんファンの方に応援していただき、頑張ってこられました。今後はまだ決まっていませんけど、次のステージに頑張って行けるようにやっていきたいと思います。こんな選手を本当に長く応援して下さったファンの方々にこの場で感謝を述べたいです。ありがとうございました」
―決断に対して家族からの言葉は
「最初は妻に話しました。話した後は無言の時間が続くことがあったんですけど、僕の意見を尊重してくれたというのがありますし、『おつかれさま』と言っていただきました」
―両親には伝えたか
「母親からは『すごく長く頑張ったね』と言ってもらいましたけど、父親は最初、反対でした。『まだできるんじゃないのか』というふうに言ってくれましたけど、引退すると伝えて、納得してくれたと思います」
(会見後)
―将来的な展望として、指導者になりたい気持ちは
「ずっと野球しかやってこなかったんで、最終的には。教える側としてやるというのも、また一つ夢かなと思ってます」―いろんな指導者に出会ってきた。教えで一番印象に残るのは
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「難しいですね。たくさん教わってきて、本当に指導者に恵まれて。自分の中でも財産になってましたし、今後そういう職に就けるのであれば、今度は教える立場として生かしていきたいなと思ってます」
―17年間のプロ野球生活で一番感謝を伝えたい先輩などは
「この人と挙げるのは難しいですけど、やっぱり(西武の)栗山さん、中村さん、岸さん、涌井さん、炭谷さんは本当に僕が若いときからかわいがってもらって、一緒にやって。いまはチームがバラバラですけど、一緒に同じチームでやってきた憧れの先輩なので、ちゃんとそこは電話で話をして(引退を)伝えました」
―西武の先輩から一番学んだこと
「一番学んだことは…やっぱりすごい練習をするという。先輩の背中を見て、僕も追いつきたい、追い抜きたいという気持ちでやってきたので、言葉じゃなくて、姿で示してくれる先輩だらけだったなという感じですね」
―いろんな監督と出会い、印象に残った考え方などは
「実際、西武の時に4番を打つことがなくて、新庄監督になられて、初めて4番も経験させてもらいましたし、すごく選手のことを気にかけてくれてる監督だなと。話しやすいですし、練習中とかも(守っている)ポジションまで来ていろいろ声を掛けてくれたので、僕は感謝しかないです」
―今季はけがが多かったと。今回の決断に影響したか
「そうですね。いつもけがをするとなると腰が多かったんですけど、今回に限っては脇腹も膝も足首も。やっぱり最後に腰もきて、ちょっとここまでなのかなっていうのはシーズン途中でも思っていました。ユニホームを着ている以上はなんとかリハビリを頑張って、早く試合に復帰して、なんとか1軍の舞台にまた出られるようにという思いでやってきましたけど、それもかなわず。これも僕の人生なのかなと思います」
―日本ハム在籍は2年あまりだが、ベスト3に入る思い出のひとつをつくることができた
「本当にこの2年間は(静岡の)ホームランもありましたけど、全然、球団の勝利に貢献することができなくて悔しい気持ちの方がやっぱり強いですね。ファイターズでは。トレードで来て、ファイターズファンの前でプレーする姿をもっと見せたかったなという気持ちもありますし、本当、このエスコンフィールドで試合をしたかったという思いもすごいあって。ちょっとそれはかなわなかったですけど、悔いはないです」
―西武のホームで現役最後の試合を迎える
「感謝しかないですね。本当に恵まれた野球人生だなと思いますし、やっぱり最後、ベルーナで試合をやってもらえるというのは両球団にすごく感謝したいですし、最後の最後まで、全力で戦って終われればいいかなと思っています」
―気持ち的には晴れやかな感じか
「会見を終えてスッキリはしたかなという感じですね。暗い感じになりたくないですけど、そうなっちゃいますね」
―涙はない
「まだ、はい。泣かないように。最後の試合となると、いろいろなことを思い出して、こみ上げてくるものもあるかもしれないですけど、それはそれで、別に我慢することはないかなと思います」
―父親にまだ続けられるのでは、と言われて気持ちは揺れたか
「ぐらつきましたね。何と言うか、おやじが野球を好きだった。そこから僕の野球人生が始まったので。自分の子もまだ小っちゃいですけど、大きくなるまでやりたいなという気持ちがあった。正直、言われたときは『どうしよう』と。でも、今年はけがをたくさんした、という話をして。そうしたら、ゆっくり休んでくれ、と言われて。それで親も納得はしてくれたみたいで。最後の20日は親の前でもそういう(全力で戦う)姿を見せられたらいいかなと思います」
―調整は順調か
「とりあえず、あした(19日)、鎌ケ谷に行って、みんなにあいさつして、マシンでも打ち込もうかなと。最後の試合に向けて。バッチリ調整して臨みたいと思います」