近日中に正式発表

　日本ハムの谷内亮太内野手（３２）が、今季限りで現役を引退する。すでに球団に意向を伝えており、近日中にも正式に発表される見込みだ。２０１２年ドラフト６位でヤクルトに入団してから、プロ生活１１年。チームが変わってもひたむきに白球を追い続けてきた仕事人が、最後は潔くユニホームを脱ぐ。

１８年オフにトレードで日本ハムへ

　熟慮の末、バットを置くことを決断した。１８年オフにトレードで日本ハムに加入し、多くのファンを魅了してきた。４番を張り、本塁打を量産するタイプのスターではなかったが、高い技術力を武器に、状況に応じた打撃で数多くの勝利に貢献。主に二遊間を任され、堅実な守備で幾度となくチームを救った。代打、代走、守備固めと、難しい途中出場も多かったが、徹底した準備で期待に応え続けてきた。

内野全ポジションを高いレベルでこなせる守備職人

　栗山前監督からは、内野全ポジションを高いレベルでこなせる守備力を高く評価され、２１年はキャリアハイの１０６試合に出場。新庄監督が就任した昨季は前年までより大幅に打席数を増やし、プロ初のサヨナラ打もマークした。
 

７月からは２軍生活も　いつ呼ばれても良いように常に準備

　今季は開幕から１軍で４３試合に出場したものの、７月に降格後は２軍生活が続いた。それでも、野球への真っすぐな思いはぶれることなく、イースタン・リーグで高打率をキープ。試合後は毎日のように室内練習場へと直行し、黙々とスイングを繰り返した。「きょうの夜、１軍から呼ばれるかもしれない。あれをやっておけば良かったなってならないように、毎日準備している」。その姿勢はチームメートに好影響を与え、木田２軍監督ら首脳陣は厚い信頼を寄せていた。

今後は後進の育成も期待される

　優しい性格は、年齢問わず誰からも慕われた。今後はプロ２球団、１１年間で培った経験を、後進の育成などに生かしていくことが期待される。２人の子どもを持つ３２歳はここから、第２の人生を歩き出す。