《大海の部屋》vol.08 ついに実現!今季加入の伏見と道産子バッテリー対談~【前編】
日本ハム・伊藤大海投手(26)の連載手記『大海の部屋』vol.08は、待望の道産子バッテリー対談が初めて実現した。オリックスから今季加入した千歳市出身の伏見寅威捕手(33)をゲストに招き、道産子右腕が進行役に挑戦!? 大いに盛り上がったトークは、前編・後編に分けてほぼノーカットでお届けします。
(連載手記『大海の部屋』は、北海道新聞の紙面でも要約版がお読みいただけます。今回は9月22日付の新聞に掲載します)
※道産子バッテリー対談の後編は22日午前5時に公開予定。お互いの意外な一面や、「北海道会」開催計画について語り合います。
ようこそ大海の部屋へ ゲストはこの方、伏見寅威さんです♪
伏見(以下伏)「俺がゲストなの? じゃあ、司会とかやったほうがいいんじゃない。『大海の部屋』なんでしょ?」
伊藤(以下伊)「(黒柳)徹子(の部屋)みたいになってます(笑)」
伏「『大海の部屋』っていうくらいなら(司会)やらないといけないでしょ。『はい、来てくれてありがとうございます』みたいな」
記憶に新しい初対面 まさか!?の行動に感激
伊「確かに…。寅威さんとの初対面は、沖縄キャンプ直前のホテルでしたね。食事会場であいさつしたのは覚えてます」
伏「俺も鮮明に覚えてる。大海のイメージは、ツンとしているから怖いんだろうな、みたいに思っていて。俺がエレベーターの前にいたら走ってきてくれて、めっちゃいい子じゃんって。人は見かけによらないなと。人見知りのイメージだから、『うっす』みたいな感じかなと思ったらバっと来てくれて」
2人の真剣勝負は… 軍配は伊藤大海!
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伊「北海道出身って分かってましたし。年も上なので。(昨年までの)対戦成績は8打数1安打3三振? 1安打しかしてないっすか?」
伏「打った記憶があまりない。1本がタイムリーだったから」
伊「打たれているイメージをすごい持ってます。簡単に打席が終わってない」
伏「最後の方はバレてたよね。最初の方は良いアプローチをしていて、俺の中でも大海を打っているって勝手に思ってたけど。ヒット1本打った後から、攻め方が変わって、手も足も出なくなった。(打順は)8、9番だし、(抑えるの)楽勝だったでしょ」
一流同士の駆け引き 2人とも頭の中にはスライダー
伊「キャッチャーは(配球を)考えてくるので、どこのキャッチャーも簡単に終わらせてくれない。1球で仕留めてくる感があるので、気を使って投げないといけない。簡単に終わらなかったなっていうイメージがあります。だから今、1安打って聞いてびっくりしているくらいです。もっとやられている感が…」
伏「マジ? 8の1なのに? 1球で仕留めてないよ」
伊「スライダーが多かったんですけど、それでやられたくないなとか」
伏「ずっとスライダー待ってたもん」
伊「スライダー待ちしているな、みたいに感じてましたけどね」
伏「軸の球なので必ず1球は来る。僕なんて下位打線だし。難しいことはしてこないで、自分の自信のあるボールでくるだろうなっていうのがあって。でも、狙っても打てないけどね」
伊「フフフ」
ついに今季から道産子バッテリーが誕生
伏「実際に(球を)受けてみたら、いや~もうすごい。だって、急にサイドスローにするし、サインを出しているのに急に(曲がりを)大きくしてきたりとか。俺は小さい変化を待ってるのに、ニヤニヤして、どうっすか、どうっすかみたいな顔して。それで遊べるピッチャーはなかなかいないよ」
伊「捕ってくれると思わないと投げないですね。やっぱり寅威さんの構えが、僕はめちゃくちゃ好き。そこに僕が投げ込めているか、投げ込めていないかは別として。ピッチャーってキャッチャーが座っている感じとか、ミットの見え方とか好みがある。もともと、こうしてほしいとか言うタイプだったんですけど、それもないです」
先発投手と捕手の外食は難しい!?
伏「普段、会話は必要最低限かな」
伊「そうっすね」
伏「ね。あんま、話しすぎても頭でっかちになっちゃうし、1週間に1回の登板にすごく準備をしてきてくれる。1から10まで話しちゃうと、その時の感覚とか、気付いたこととかに気がいかなくなっちゃうので。これを使ってみたい、そういう話だけシンプルにして臨む。ご飯とか、まだ行ったことないね。先発だとムズい。遠征先とかで、ご飯行きたいけど、登板までとかだと気を使うし、登板終わっちゃうと、すぐに帰っちゃうし」
伊「仕方ないっす(笑)」
女房役が絶賛 ハッキリしている道産子右腕の性格
伏「先輩の僕が誘うべきなんで。人見知りは、ぶっているだけでしょ。みんなに言ってもらって、うまいよね。プイってやっていても、人見知りだからって言われて終わりじゃん。うまいんだよね、周りとの付き合いがある意味。計算高いわ」
伊「(笑) こっちからグイグイいくのは苦手っていうか、得意ではない。(相手から)来られる分に関しては全然」
伏「大海の良さは、ハッキリしているところかな。変な女々しさがない。人間的にもそうだし、好き嫌いもはっきりしているし。考え方もハッキリしていて、言い訳もあまりしないし。そういうところは好きですね」
互いを信頼 試合で見せる「あ・うん」の呼吸
伊「今、言ってくれたみたいに、けっこう極端な性格なんで。良くも悪くもハッキリしすぎているので、そういうのをうまく利用してくれるというか。うまく引き出してくれるので、良い意味で気を使わないですし。キャッチャーとしても好きですし、人としても尊敬できる。カウントのつくり方だったり、すごく勉強させてもらいながら投げています。僕は早く追い込みたがる。早く2ストライクを取って、あとは好きなボールをぽんぽん投げたい。でも、そっちの方が意外と球数もかかるし、決めきれない。カウント1-1をつくるようになってから、すごく決めやすくなりました。新たな発見というか、気付いてなかったことです」
伏「打ち取る確率だけの話でいえば、ストライク先行のほうが高い。僕の中でバッター1人に5球くらいで終わるイメージを持っていて、3球で1ボール2ストライクをつくりたいと念頭に置く。大海にその話をしたら納得してくれて、1ストライクを取ったら、際どいところに投げてくれて、バッターの反応を見てから、次の球を選ぶようになったね」