ベテラン中島卓也 4カ月ぶりの1軍復帰 引退発表の谷内へ惜別のタイムリー
■パ・リーグ24回戦 日本ハム4ー7西武(9月19日、ベルーナドーム)
122日ぶりの1軍舞台 勝負強さは健在
頼れるいぶし銀が帰ってきた。約4カ月ぶりに1軍昇格した日本ハムの中島卓也内野手(32)が19日、ベルーナドームで行われた西武戦に「2番・遊撃」で出場。二回の第2打席で5月20日のオリックス戦以来となる適時打を放ち、スタメン起用に応えた。
「久しぶりの1軍でめちゃめちゃ緊張しました」。経験豊富なベテランといえども心は落ち着かなかった。2死一、二塁の好機。直球を捉えると、打球はしぶとく一、二塁間を抜けた。「チャンスで打てたことが一番。当たりは良くなかったけど、飛んだ方向が良かった。今川もよく走ってくれました」。ベース上で二塁走者の生還を確認した中島は、左手を軽く上げて、こわばった表情を少しだけ緩めた。
負傷もあり鎌ケ谷で再出発 若手に負けじと日々鍛錬
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
長くチームを支えた職人肌は今季、負傷の影響もあり、出場機会を大きく減らした。5月に左脇腹を痛めて以来、1軍の舞台から遠ざかった。「最初は悔しかったけど、リハビリをして、鎌ケ谷へ行って気持ちを切り替えた。自分の中で打撃、守備、走塁を見つめ直した。プラスに考えることで良い時間になったと思います」と、炎天下の鎌ケ谷で黙々と技術を磨き続けた。
〝同級生〟の引退に思う 「谷内がやっていたことの難しさや、すごさが分かる」
ファームでは、この日に引退が発表された谷内と、たくさんの時間を共有した。二遊間でコンビを組むことも多かっただけに、湧き上がる感情は人一倍強い。
「同級生なので、やっぱり寂しいです。僕もいろいろなところを守ってきたので、谷内がやっていたことの難しさや、すごさが分かる。まだまだやれそうな感じがするけど、本人が決めたことだから…。『一緒にプレーできたのは短い時間だったけど、本当にお疲れさま』と伝えました」
シーズンは残り12試合 自身のプレーに集中あるのみ
老け込むには、まだ早すぎる。同学年の引退を惜しみながらも、中島は自らの道を進み続ける。「(若手には)負けられないという気持ちが、ずっとあった。ファームで試合に出る時は、しっかり自分のプレーをして結果を出そうと取り組んできた。僕も、いつまでできるかは分からない。最後まで諦めずにやっていきたい」。心を奮い立たせ、残りわずかなシーズンを駆け抜ける。