《鶴岡慎也のツルのひと声》投手の持つ引き出しを開けてあげるのがキャッチャー
■パ・リーグ24回戦 日本ハム4ー7西武(9月19日、ベルーナドーム)
何とかできた試合 勝ちゲームになりえた展開
相手のミスもあり、一回から優位に進められたのだが、結果は逆転負け。先発したポンセ、2番手のロドリゲスと状態は決して良くなかった。ただ、「何とかできた」との思いがぬぐい去れない試合となってしまった。
スタメンマスクの古川にこそ、できた策はある
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マスクをかぶり続けた古川こそ特に、施せた策があったように感じる。ポンセは非常にレベルの高い投手で、直球、ツーシーム、カット、チェンジアップ、フォークなど、あらゆるボールが一級品だ。ストレートやツーシーム、カットなど同一球速帯のボールに頼りすぎていたように見えた。
カーブやスライダーなど曲がり球も巧みなポンセ。早い段階からアクセントとして使うこともできた。初めてバッテリーを組んだわけではない。多彩な引き出しを持っているピッチャーでも、それを開けてあげるキャッチャーがいなくては力を発揮しきれない。
不用意だった一球 六回にロドリゲスが浴びた勝ち越し打
顕著だったシーンは六回。8番の児玉に右前タイムリーを打たれた場面だ。布石は二回にある。1死満塁で児玉にツーシームをレフトに運ばれ、犠飛を許していた。実にうまく対応された。それなのに六回2死二、三塁でロドリゲスが初球にツーシーム。それを右前に痛打された。甘く入ったのだが、良いスイングをしている相手。もっと慎重に入るべきだった。
成長に期待 投手を、チームを勝たせられる捕手に
投手の状態が良くない時ほど、粘り強いピッチングを引き出すのが捕手の役目であり、腕の見せどころ。成長してもらいたいからこそ、言いたい。目の前の結果、特に悪い時ほど、自分の責任と受け止め、勉強していってほしい。それが成長につながる。捕手はメンタル的なタフさも必要とされる。ピッチャーを、チームを勝たせられるキャッチャーになっていってもらいたい。
是非ともタイトルを 確実にレベルを上げている万波
ホームラン王を争う万波は確実に打者としてのレベルを上げている。「打ちたい、打ちたい」となっても仕方ない状況で、決してバッティングが雑になっていない。この日の2四球に表れている通り、しっかりとボール球を見極めることができている。その上で、打てるボールを確実に捉えている。内容が良い。是非ともタイトルを手にしてもらいたい。