親交が深かった池田が明かす 木村の愛される人柄と頼れる一面 「キムさんみたいになりたい」
■パ・リーグ25回戦最終戦 日本ハム1ー4西武(9月20日、ベルーナドーム)
ベンチ前で現役ラストゲームを終えた木村と抱擁
日本ハムの木村文紀外野手(35)が20日、西武戦(ベルーナドーム)で現役ラストゲームに臨んだ。古巣との一戦に「4番・右翼」で先発出場し、最終打席となった四回には左翼線二塁打をマーク。その裏に交代を告げられ、ベンチ前で親交が深い池田隆英投手(28)と熱い抱擁を交わした。
同じ年にトレード加入 固い絆は今も変わらず
6学年違いの投手と外野手。一見、接点のなさそうな2人だが、固い絆で結ばれている。仲良くなったきっかけを池田は「同じ時期にトレードで入った。そこから普通に仲良くなって、ご飯に行くようになりました」と明かす。
右腕は2021年3月に楽天、木村は同8月に西武からトレードで日本ハムに加入。元西武で楽天・岸孝之ら親しい先輩のつながりもあり、すぐに意気投合した。
昨季は佐々木朗から先頭打者弾 その姿に、言葉に、刺激を受けてきた
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野手最年長の35歳は、まさに頼れる兄貴分だった。弱気になった時は、いつも励ましの言葉をかけてくれた。今年2月の春季キャンプはともに2軍スタート。「『絶対(1軍に)行けるから』は、ずっと言われていた。ちゃんと投げていたら大丈夫だから。腐らず頑張ろうって」
昨年9月14日のロッテ戦(ZOZOマリン)では、木村が完全試合男・佐々木朗から先頭打者本塁打をマーク。2軍調整中だった池田は「活躍する姿を見て頑張ろうと思った」と大きな刺激を受けたという。
誰からも愛された苦労人 球場通路に並んだねぎらいの花
今季は2軍暮らしが続いたが、若手の手本だった。「鎌ケ谷を見ていても思うんですけど、年下の子にも慕われていた。『キムさんみたいになりたい』と言われていましたね」。この日、ベルーナドームの関係者通路には、元同僚や関係者から多くの花が届けられた。対戦相手の西武・栗山、中村らの名前も並び、愛された木村の人柄を物語っていた。
大好きな先輩の分も さらなる飛躍を期す
引退発表があった18日のソフトバンク戦(エスコンフィールド北海道)。勝ちパターンの一角を担う池田は「本当は八回に『ひまわり』を流したかったけれど、出番がなかったんですよ」。感謝の思いを込めて、木村の登場曲・TUBEの『ひまわり』を使用する予定だった。
「本当はまだ(現役を)できるだろと思いますけどね」。大好きな先輩の分も、背番号52はマウンドに立ち続ける。