ルーキー金村 約5カ月ぶりの1軍戦で2勝目 鎌ケ谷で身に付けた「投げない勇気」
■パ・リーグ21回戦 日本ハム3ー0楽天(9月22日、楽天モバイルパーク宮城)
堂々の2勝目 圧巻の七回途中無失点
期待の新人がようやく帰ってきた。日本ハムのドラフト2位ルーキー・金村尚真投手(23)が22日、楽天戦に先発。自己最長の6回⅔を3安打無失点に抑えて2勝目を挙げた。
復帰登板でいきなり魅せた 「ホッとしました」
4月に右肩を痛め、2軍で長期間のリハビリを強いられたが、約5カ月ぶりの1軍復帰戦で実力を証明。「こうやって久しぶりに(1軍に)来て勝利を挙げられたて、ホッとしました。けがをして、うまくいかない時もあったので、まずは勝利できて本当に良かったです」と笑顔を見せた。
アクシデントもなんのその 課題も見いだした
立ち上がりは、やや制球に苦しんだが、徐々に本来の安定感を取り戻した。二回に右手の爪を負傷するアクシデントもあったが、「気にせず投げていました。全然、影響はなかったです」と、どこ吹く風。三回から六回まで圧巻の4イニング連続3者凡退に仕留め「序盤は先頭に四球を出したり、悪い部分が出てしまったんですけど、後半は怖いんですけどゾーンで勝負できたので、それは良かったんじゃないかな」と胸を張った。
謙虚なルーキーは、反省も忘れない。七回に2安打を許し、2死一、二塁と走者を残して降板した。「しっかり七回を投げきることをもっとやっていかないといけない。(打者)3回り目をしっかり抑えることを意識してやっていきます」と先を見据えた。
アマチュア時代からの投げたがり
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
沖縄出身の野球小僧は、自他ともに認める〝投げたがり〟だ。「僕は試合で投げた次の日も投げたい人なんです」と、アマチュア時代は試合翌日だろうが、納得いくまで投球練習をやめなかった。
プロ入り後も「自分の調整法を変える勇気がなかった。今までやってきたことが合っているんじゃないかなって思っていたので」と習慣を継続。「悪い状態のまま終わりたくないので、良い状態にして終わりたい。自分の気持ちを楽にして帰りたかった」と練習での球数がかさんでいた。
開幕直後の4月に負傷 苦境で身に付けた〝我慢〟
すると、4月に右肩が悲鳴を上げた。人生で初めてのけが。投げることが大好きだからこそ、投げられないつらさも人一倍だった。「けがをしないこと」の大切さを痛感し、リハビリ中の鎌ケ谷で培ったのは「投げない勇気」だ。
「一番は投げないで、どう調整するか。焦らないことを肝に銘じて、投球が不満でも『きょうはやめとくか』って、しっかり我慢しました。良い状態じゃないってことは、自分の体に問題があるってこと。そこで休むことも、良い状態になるために必要なこと。体を休めたら、次の日は良いボールになるんじゃないかと、今は自分に言い聞かせてやっています」
収穫のプロ1年目 来季の大飛躍を期す
この日の試合後、首脳陣は残り試合で金村を登板させないことを明言した。1年目は4試合に登板し、2勝1敗、防御率1・80。プロで勝つ喜びと、けがの苦しみを両方経験した右腕は、新人王資格も残る来季へ向け「きょうは来年につながる投球だったと思う。今年はけがしてしまったので、来年以降は絶対にけがしない体をつくるのが今の目標です。ここから練習していきたい」と意気込んだ。
けがせず1年間を戦い抜き、2年目の大ブレークを果たしてみせる。